検索
連載

【第7話】問題のとらえ方内山悟志の「IT人材育成物語」(2/2 ページ)

勉強会の第2回が始まった。前回決定したテーマについての問題解決に取り掛かる。川口は、検討を始めるにあたって、問題のとらえ方と問題解決の流れについて説明した。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

問題解決の流れ

「次に問題解決の流れについて説明しよう。配った資料の1ページ目を見てくれないか(図1)。問題解決は、大まかに認知、定義、分析、解決および評価の5つのステップで進められる。その中で重要な分析と解決のステップでは、それぞれに発散技法と収束技法を順番に活用する。つまり、問題を洗い出してから取りまとめ、それに対する解決策を洗い出してから取りまとめるという手順となる。

分析のフェーズでは、まず問題の状況、原因、関連問題などを洗い出す。発散技法を使って制約を設けずにとにかくたくさんの事柄を挙げていく。洗い出した事柄は収束技法を使って因果関係や構造を把握する。問題の全体像が明らかになったら優先度の高い重要な部分が見えてくるので、それをどのような目標で解決するのかを決定する。ここまでが分析のフェーズだ。

次に、解決のフェーズでは再び発散技法を使って、解決策となる案を多数挙げてみる。どのような解決策を講じればどのような問題が解決するのかを突き止めるために、収束技法を使って、問題と解決策の案との関係性や複数の解決策同士の構造を解明していく。そして、いくつかの解決策を絞り込み、優先順位や実施手順を決定するわけだ」

 川口は一気に説明し終わると、持っていたペットボトルのお茶でのどを潤した。川口の勢いに押され気味だった二人もようやく息をついた。

<strong>図1</strong> 問題解決の流れ
図1 問題解決の流れ

著者プロフィール

内山悟志(うちやま さとし)

株式会社アイ・ティ・アール(ITR) 代表取締役/プリンシパル・アナリスト

大手外資系企業の情報システム部門、データクエスト・ジャパン株式会社のシニア・アナリストを経て、1994年、情報技術研究所(現ITR)を設立し代表取締役に就任。ガートナーグループ・ジャパン・リサーチ・センター代表を兼務する。現在は、IT戦略、IT投資、IT組織運営などの分野を専門とするアナリストとして活動。近著は「名前だけのITコンサルなんていらない」(翔泳社)、「日本版SOX法 IT統制実践法」(SRC)、そのほか寄稿記事、講演など多数。



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る