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身体がしぼむのを防ぐ ―ホルモン年齢の評価―エグゼクティブのためのアンチエイジング(2/2 ページ)

いくつになっても若さと健康を望む人は多いだろう。日々の暮らしのなかで今日から実践できる方法を紹介する。

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ときめきや恋心を忘れないこと

(2)メラトニン

 メラトニンは、脳の松果体から分泌されるホルモンです。睡眠のリズム、睡眠の質に関与するばかりでなく、抗酸化作用、免疫力を増強させる働きがあります。40歳をすぎて寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりする人の多くはメラトニン不足が原因です。

 自分自身のホルモン分泌を促すコツは、朝起床時に明るい光を浴びる、昼に適度な運動を行う、長時間の昼寝は避ける、夜間のカフェイン摂取を避ける、アルコールの過剰摂取を控える、睡眠直前に夕食をとらない(2時間あける)、寝る前にリラックスする、部屋を真っ暗にして眠ることです。


(3)DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)

 DHEAは体内に豊富に存在するステロイド系ホルモンです。主に副腎で産生され、老化とともに血中濃度は下がってきます。血液検査では安定型のDHEA-sを測定するのが一般的です。DHEAをもとに、男性ホルモン、女性ホルモン、蛋白同化ホルモン、ミネラルコルチコイド、副腎皮質ホルモンなど、実に50種類以上のホルモンが作られます。

 これらは健康の維持や脂肪の燃焼による筋肉の維持、性ホルモンの維持、老化の防止、ミネラルバランスを維持するために重要な働きがあり、DHEA自体にも免疫システムを強化し、ストレスに対して抵抗力を高めるといった作用があります。男性ホルモン・女性ホルモン分泌も老化とともに低下してゆきます。自分自身のDHEA分泌を促すコツは、筋肉負荷トレーニングで筋肉をつける、冒険心、ときめきや恋心を忘れないこと、フリーラジカルから身体を防御して副腎に過酸化脂質を貯めこまないことです。過酸化脂質のもとになる脂質の取り過ぎには注意しましょう。

 アンチエイジングドックではホルモンの血中濃度を測ることによりホルモン年齢を評価します。実際の年齢(実年齢)に比べてホルモン年齢を7〜8割くらいに若く保つことができればベストです。実年齢以上に高く出るようならば注意が必要。自分自身のホルモン分泌を刺激するコツを是非とも実践してください。


著者プロフィール

米井嘉一(よねい よしかず)

同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンター教授

1958年東京生まれ。1986年に慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程を修了後、UCLAに留学。1989年に帰国後、日本鋼管病院内科 人間ドック脳ドック室部長を経て、2005年に同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授就任。現在は同志社大学生命医科学部の教授を兼任し研究に尽力するほか、日本抗加齢医学会の国際担当理事として、アジア、ヨーロッパ、アメリカなど各国の抗加齢医学会との交流に努める。主な著書に「抗加齢医学入門」(慶應義塾大学出版会)、「アンチエイジングのすすめ」(新潮社)など。


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