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4時起床のすすめ――時間密度を上げる朝時間活用ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

時間は誰にでも平等に与えられているもの。実際仕事をする時間ばかりではなく、自分の人生や仕事を考える時間も必要です。脳がすっきりしている朝の時間を有効に活用してみませんか?

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自分も相手の時間も大切にする

 早起きをして、腰を据えて考える時間を作る一番のメリットは、人生を自由にコントロールしている感覚に浸れることです。寝心地が良いベッドから起き上がるのには勇気がいりますよね。いくら早起きに慣れていたとしても、やはり寝起きの瞬間は眠いもの。しかし、眠気という誘惑に勝つことは、「早起きをする!」と決めた自分との約束を毎日1つ1つクリアしていくことなのです。目標を少しずつクリアしていくのは楽しいですし、「自分はきちんと早起きできている」ということで自信が生まれます。

 脳は睡眠中に前日の情報を整理するので、朝の時間が一番クリアになるそうです。スッキリした頭で重要なことをじっくり考えると、自分の人生を思い通りに支配している感覚を得ることになります。その結果、出来事を人のせいにしてカリカリ、イライラしていた自分から解放され、今の状況を自分の力でどう変えるべきかという視点を持てます。朝の時間で当日の仕事の流れをじっくりシミュレートできると、会社でも気持ちに余裕が生まれます。

 朝は周囲も静かなので、電話が来たり、話し掛けられたりして他人に思考のプロセスを邪魔されることなく、時間を自由に使えます。夜も一人で考えられる時間があるという方がいます。わたしの実感ですが、夜はどうしても気持ちが後ろ向きになってしまったり、どろどろした感情が表に出てきたりすることが多いのです。将来の計画も悲観的なものになるので、わたしは朝の静かな時間を使って考えることをお勧めしています。

 時間=命である以上、自分の時間だけでなく、相手の時間にも敬意を払いたいものです。朝の時間は、自分を大事にするための有効な時間である一方、相手の貴重な時間を大事にするものでもあると考えています。というのも、朝の時間を使って自分がきちんと準備をしておけば、相手の手間も最小限になる上、評価されるようになると会社員時代に実感したからです。

時間の有効活用は評価につながる

 わたしはもともと仕事がまったくできない会社員でした。上司から指示を受けても、とっさに自分がすべき仕事をイメージできず、上司が思い描くものとかけ離れた行動を取ってしまうことが多かったのです。そんな自分が嫌だったので、どうにかして変えたいと思い、自分が注意を受けたポイントを復習して体系化し、これからこう指示を受けたらこう行動する、というシミュレーションを朝の始業前に繰り返していました。そのことによって、上司の時間を使うのを最小限にとどめることができるようになった上、自分もスムーズに仕事ができるようになり、徐々に評価されるようになった経験があります。

 周囲にいる尊敬する人たちは、地位が高い人ほど時間の感覚にシビアで、相手の時間の使い方に敬意を払う人が多いようです。前職の外資系戦略コンサルティング会社の上司にこんな話を聞いたことがあります。

「長年、大企業の社長と仕事をさせてもらって思うことは、偉くなればなるほど、お金じゃなくて時間を本当に大切にしている。だからわたしはいつも、会食のときには必ず“貴重なお時間をわたしどもにくださって本当にありがとうございます”と伝えるんだよ」


 会社でも上のポジションになれば、例えば、わずか1時間で社員の将来を左右する決断を下すことがあります。そんなプレッシャーが大きい中での1時間は、お金や物などには到底換算できないものです。だからこそ、相手の時間を大事に考え行動できる人は、同時に仕事ができる人だと思います。

 自分も相手も大事にできる「朝時間」の活用。ぜひ挑戦してみてください!

著者プロフィール

池田千恵(いけだ ちえ)

Before 9(ビフォア・ナイン) プロジェクト主宰/図解化コンサルティング CONECTA代表

福島県生まれ。2度の大学受験失敗を機に早起きに目覚め、半年の早朝勉強で慶應義塾大学総合政策学部に入学。起業家精神を鍛えるため、社員270名(当時)のワタミ入社後、外資系戦略コンサルティング会社に転職。パワーポイントのプロとして、毎日50〜100枚、累計75000枚以上のプレゼン資料を作成。社内のコンサルタントに技術指導する役割を担った後、図解化コンサルタントとして独立。

本業のかたわら、朝の始業前の時間を有効活用する大人の学び場「Before 9 プロジェクト」を主宰。朝時間の活用で仕事と趣味の境目をなくし、人生を豊かに過ごす術を研究している。

著書『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』(マガジンハウス刊)の出版をきっかけに、朝4時起きでTwitterに「おはよう」の挨拶をする「ヨジラー」が急増中。Twitterのアドレスはhttp://twitter.com/ikedachie



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