事業を成功させる4つの窓:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
良いサービスや技術を持っていれば必ずしも事業が成功するとは限らない。成功を収め、さらには経営を継続するために不可欠な4つのポイントを紹介する。
ジャック・ウェルチから学ぶ
最後の窓が「No.1の窓」です。20世紀最高の経営者ともてはやされる、ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウェルチ元CEOが経営学者であるピーター・ドラッカーのアドバイスにより、世界で1位、2位になれる事業に選択と集中をして、経営を大成功させた話はあまりにも有名です。規模解釈は違えど非常に大切なコンセプトです。
事業を立ち上げたばかりであっても今すぐにNo.1になれということではありません。しかし、いずれはNo.1になる領域を持てる事業かどうかというのが重要です。最終的には世界一、日本一ということになりますが、そんな大きなことを言わずとも、県や市、町などの地域や、アフターサービス、接客態度だけはどこにも負けないなど、小さくても構いません。いずれは「どこにも負けない」と言える領域を作れる事業かどうかを確認してください。
どこにも負けない領域を作るのはどのようなことか分かりますか。これは、あなたの会社の独自性、つまり「独自の売り」を持つことなのです。お客さまへの最高の敬意は何だと思いますか。わたしは、お客さまがなぜあなたの会社から買う必要があるのかを明確にすることだと考えています。これが先ほど述べた、独自の売りを持つことなのです。このコンセプトは、非常に重要なので、ぜひ従業員の皆さんとディスカッションしてみてください。
この事業成功の4つの窓ができるだけ多く重なっている事業を選ぶと、成功する確率、経営を継続できる確立が上がること間違いありません。
著者プロフィール
嶋津良智(しまづ よしのり)
株式会社リーダーズアカデミー 代表取締役社長兼CEO
大学卒業後、IT系ベンチャー企業に入社。同期100名の中でトップセールスマンとして活躍、その功績が認められ24歳の若さで最年少営業部長に抜擢。就任3ヶ月で担当部門の成績が全国ナンバー1になる。その後28歳で独立・起業し、実質5年で52憶の会社まで育て、2004年5月株式上場(IPO)を果たす。2005年、次世代を担うリーダーを育成することを目的とした教育機関、株式会社リーダーズアカデミーを設立。
現在シンガポールへ拠点を移し、数カ国で会社経営に参画する傍ら、人材育成・組織変革・リーダーシップにより業績向上に寄与する独自メソッド「上司学」が好評を博し、日本・シンガポールをはじめアジアを中心に、企業研修などを行っている。
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