人脈形成には日々の努力を惜しんではならぬ:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(3/3 ページ)
あなたは誰かの人脈づくりの手助けをしたことがあるか。自分が信頼される存在になってこそ人脈は築ける。
信頼を得るための条件
さまざまなテクニックを説明してきましたが、人脈を構築する上で大切なことは、何よりも信頼される人間になることです。一朝一夕になれるわけもありません。日々の努力がものをいうのです。
わたしが考える信頼されるための習慣は以下の5つです。
(1)未来志向性を醸し出す
(2)まめにコンタクトを取る
(3)仕事以外で会い、気軽にランチにでも誘う
(4)仕事を前提で会わない
(5)フォローを忘れない
特に仕事以外でも気軽に出向く姿勢こそが関係を継続する条件と言えます。加えて、まめなコンタクトは忘れられないというのは極めて重要です。(5)も欠かせません。誰かを紹介されたときはきちんと紹介者にお礼をすべきでしょう。その後も進ちょくを報告するなど、紹介してもらいっぱなしにしてはいけません。お互い連絡を密にすることで確実に距離は近くなります。これらを習慣化すれば鬼に金棒です。
では、信頼を得る究極の資質は何でしょうか。それは「かわいげ」です。しかしこれは天賦の才ですから誰もがまねできるものではありません。まねができる資質は「律儀」です。何事も律儀にコンタクトを取り、報告し、フォローすることで、評価され信頼されるのです。律儀であれば、多少の失敗があっても許してもらえます。律儀さが「あいつはかわいいやつだ」といった評価につながり、支援者が出てきます。日ごろからいい加減であれば、価値の高い仲間や人脈は発生しません。まずは律儀さを忘れずに、人脈構築に努力すべきなのです。
著者プロフィール
高橋幸輝(たかはし こうき)
インシィンク代表取締役
南カリフォルニア大学(USC)卒業。1997年、パサデナ市立大学で講座を受け持つかたわら市内にTakahashi Trading Officeを開設し、外国為替、ベンチャー企業向けのコンサルティングに従事。帰国後、2001年から「黎明の会」を主宰し、企業向けブランドコンサルティングに従事。2004年に株式会社インシィンクを設立、代表取締役に就任。2008年、浜松、京都、和歌山にて経営者やリーダーを対象にした「仕事塾」を開校。2009年、ピーターモントヤと独占提携し、日本初「パーソナルブランディング講座」を開設、現在に至る。
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