亡くなることの準備は、生きていく不安を減らすこと:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
「わたしはどこのお墓に入るんだろう?」と思ったことがありますか。土でも、海でも、宇宙でも、生きているうちに決めておけば安心して暮らせるのです。
生きているからできること
お坊さんの世話になるのは亡くなってからではありません。お墓のことについても相談できますし、昔からカウンセラー的な役割を担ってきたのもお坊さんでした。生きる上でのさまざまな悩みに対して、救いの手を差し伸べているのが仏教なんです。
とはいっても、一般的にはお葬式や法事といった仏事を基点にお寺とつながることが多いと思います。いざお寺とお付き合いすることになったとき、その付き合い方を書いたのが『「ぼうず丸もうけ」のカラクリ』です。お寺の世界の紹介のほか、「戒名の話」や「お布施交渉術」などを書きました。
読者の中には、自分はまだまだ若いし仕事もバリバリこなせると思っている方も多いはずです。一方では、どことなく以前の強さを感じなくなっている親の姿があるのではないでしょうか。自分と子どもが成長するということは、確実に親も年齢を重ねています。
それならば事前に準備をしておくのも1つの方法。亡くなることの準備をするのは「縁起の悪いこと」ではなくて「生きていく不安を1つ減らすこと」でもあります。
亡くなることを見つめることで、生きることが見えてくるではないか。最近そのように感じるのです。最後に、気合いの入らないときに気持ちを引き締めてくれる言葉をご紹介します。
あなたが空しく生きた今日は、
昨日死んでいった者が
あれほど生きたいと願った明日
(『カシコギ』趙昌仁/サンマーク出版から引用)
著者プロフィール
ショーエンK
大学では経営学を専攻。「坊主丸儲けは本当か?」の論文で卒業する。総本山での修行後は、父の他界により24歳の若き住職となってしまう。お寺の活動とともに、「隠れボウズ」として会計事務所での勤務も経験。煩悩あふれる俗世間での苦しみを味わう。幼少のころからの訓練で身につけた暗算10段の計算力を活かし、税理士試験にも合格する税金のスペシャリスト。またビジネス書、仏教書など年間300冊の読書を趣味とし連載記事の執筆やブログの更新にも力を注ぐ、現代の「読み書きそろばん」の実践者。
『ぼうず丸もうけのカラクリ』の出版後は、TVやラジオにも出演し、お寺との付き合い方を紹介している。
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