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オフィスワークの効率化は製造現場に学べビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

ホワイトカラーの生産性の低さが話題に上って久しいが、まだまだ改善の余地がある。今日から1人でもできるオフィスの「在庫削減」を始めてみよう。

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在庫削減に学ぶオフィスワークの効率化

若井吉樹著『世界一わかりやすい在庫削減の授業』(サンマーク出版)
若井吉樹著『世界一わかりやすい在庫削減の授業』(サンマーク出版)

 在庫削減は製造業や卸売業、小売業といった「もの」を扱う職場の話です。ですので、オフィスワークでそのまま適用することは難しいですが、そこでの考え方や手順は似ており、いろいろと参考になります。

ステップ1:整理

 オフィスに在庫品はありませんが、仕事を進めていく中で「資料やデータ」を作ります。机の上の資料やパソコンのデータが山ほどあると、必要なものをすぐに見つけることができません。資料やデータの山には不要な物が大量にあるので、それを整理(廃棄)するだけで、仕事のスピードは速くなります。

ステップ2:分類

 仕事には重要度や緊急度の高いものと低いものがあります。何も考えずにやりやすいものから手をつけていると重要度や緊急度が低いものに時間を取られ、最優先して行わなければならないことがおろそかになってしまいます。常に自分の仕事を棚卸して、優先度をつけて取り組むと効率が上がります。


ステップ3:小まめに行う

 上司から1カ月の納期で受けた仕事を何も考えず取り組むと、よくあるのが納期の1週間前にやり始めて、その時初めて仕事量の多さに気付き、ドタバタで十分な品質のアウトプットが出ないことです。与えられた仕事をそのまま、まとめて行うのではなく、アウトプットを出すまでの作業を細かくブレークダウンします。そして、その作業を計画して実施していきます。細かく計画し実施していくことで、途中で遅れ方や進み具合が明確になり、早め早めの判断やアクションが可能になります。場合によっては要求された納期より大幅に早くアウトプットを出すことができるでしょう。

 在庫削減もオフィスワークもその成果を高めようと考えた場合、多くの共通点があるのです。

 こうして書くと、「なんだ、当たり前のことを言っているだけじゃないか!」と言われる方が多くいらっしゃるでしょう。しかし、当たり前のことを徹底的にやっているのが製造業の現場であり、当たり前のことが徹底的に行われていないのがオフィスなのです。

 ホワイトカラーの仕事術の本以外に、ものづくりの改善に関する本を読んでみるといろいろなヒントが見つかります。

ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」のバックナンバーへ。



著者プロフィール

若井吉樹(わかい よしき)

名古屋市生まれ。「トヨタ生産方式」生みの親である大野耐一氏と同じ名古屋工業大学を卒業。大手電機メーカーに入社し、システムエンジニアとして数多くの製造業の在庫削減プロジェクトに参画する。リーダーとして担当した3つの大型案件で自社事業に貢献したとして「功績賞」を受賞。その後、お客様へのさらなる成果を追い求めて、自社工場の現場改善に転身。トヨタグループOBコンサルタントの下、3000億円の在庫削減に関わる。成果が数字となって表れる以上に職場の人々が生き生きしていく姿に感動。現在は在庫削減を中心にコンサルティング・セミナー活動をおこなっている。

著書は「御社のトヨタ生産方式は、なぜ、うまくいかないのか?」(技術評論社)など。


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