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2010年は「3D元年」になるかハリウッドは本気(3/5 ページ)

『アバター』の登場をきっかけに、3D映画への関心が急速に高まっている。放送局、テレビ業界、ゲーム業界、家電業界を巻き込む一大ムーブメントになりつつある3D市場の方向性を考えてみる。

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快適でなければ普及しない

 4月10日、経済産業省が3D映像による目への悪影響を防ぐための安全指針案を業界と協力してまとめました。コンテンツ作成者に対する指針です。3D普及のためにはコンテンツが最重要であり、コンテンツとして映画が3D元年の出発点になると前の章で述べました。しかし、感動を与えてくれる3Dも、疲れたり気分が悪くなったりしてしまっては、もう一度観たいとは思わなくなってしまいます。ましてや、家で体験したいとは思わなくなってしまうでしょう。経済産業省の取り組みは、コンテンツ作成者側に、快適な3Dコンテンツ作成の指針を与えたものです。

 快適さと言えば、今回アバターでは、4つの3D上映方式があったのをご存知でしょうか。各方式は技術的な違いや、既存スクリーンを使えるかなど、提供者側の事情はありますが、快適さについては3Dメガネが鍵を握っています。わたしは今回4方式すべての上映館でアバターを観てみましたが「メガネによって疲れがこんなにも違うのか」と自分でも驚いたほどです。

 家電メーカーのデモでは数十分の短いコンテンツですので、それほど疲れることはありません。しかし、2時間を超える(162分)映画となると、頭痛の原因になったものもありました。「XpanD」という方式が圧倒的に多いのですが、家であの重く大きなメガネを装着して映画を見るシーンは想像できませんでした。しかし、全国で4館しか上映していな「IMAX 3D」という方式では、3Dの立体感も画像の鮮やかさも圧巻です。メガネも軽くほとんど疲れは感じませんでした。

 映画館での体験を家庭に持ち込み、家で楽しむためには、まずこのメガネの改良が必要でしょう。同じアバターを観た人でも、3Dを観た際の感想が違う場合は、どの方式で観たのかの確認が必要です。現在、パナソニックやソニーでは、最新の3Dテレビを使ったデモを体験できますので、一度その装着感と疲れの程度を体感してみるといいでしょう。

 快適さの一例として、経済産業省のコンテンツ制作への指針、ユーザーが体に身に着けるメガネを例に出しました。さらに3Dを普及させるためには、3D用チェアや3D用のテレビスタンド、照明などにも着目し、快適に3Dを楽しむための取り組みを徹底することが重要でしょう。

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