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IT業界に構造変化 大手ベンダーの戦略転換と大量雇用減の可能性戦略コンサルタントの視点(3/3 ページ)

IT業界の特徴を一言で表現すると「ゼネコン構造」といえます。情報システムのパラダイムが大きく変化していく中、この5年で日本国内でのエンジニア需要は2、3割程度が消失する可能性が高いと考えています。

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国内のエンジニア需要の変化、雇用への影響


図3(クリックで拡大)

 大手ベンダーのオフショア活用が進めば、業界構造の下に位置する下請けベンダーの案件がオフショアに流れることになります。オフショア活用の拡大は、大きく3つに分けて進むことになります。(図3)

1. 中国・インドのシステムベンダーによるオフショア受託開発の拡大

2. 日本の大手システムベンダーのオフショア拠点の強化・拡大

3. これらのオフショア拠点における下請構造の確立・拡大

 ローランド・ベルガーでは、合計で約20万人から25万人程度のエンジニア需要がオフショアに流れると試算しています。エンジニア需要の大幅な減少に伴い、営業部門や管理部門の需要もさらに減少することが予想されますので、業界の雇用という面ではさらに大きなインパクトが発生することになります。

 次回は、これがひきおこす日本のIT業界の構造変化や各層のベンダーの戦略的課題について考えることにします。

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著者プロフィール:大久保 達真(おおくぼ たつま) プロジェクト マネージャー 株式会社ローランド・ベルガー

大久保 達真

慶応義塾大学理工学研究科修了後、三菱マテリアル、ネットワンシステムズを経て現職。米国コロンビア大学MBA。情報通信業、電機、自動車、金融、航空業界など幅広い業界における、事業戦略、新規事業立案、組織・人材戦略、マーケティング戦略、IT戦略の立案とともに、大規模PMOの運営などの実行支援も手がけている。システムアナリスト、システム監査技術者の資格を保有という一面を有する。


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