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マーク・ハードの場合伴大作「フクロウのまなざし」(3/4 ページ)

この夏に注目すべき事件が起きた。今後のICT業界の方向性を決める重要な要素を含んでいるのでちょっと書いておこう。

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進む寡占化の大波

 日本のIT企業は完全に蚊帳の外に置かれているが、世界では相変わらず企業買収が活発だ。もともと、買収で企業成長を促すというのはCisco Systemsのように技術革新が活発に行われた一部の業種に限られていたが、HPやOracle、IBMなどの大手IT企業が企業買収に積極な姿勢に転換した結果、あるいは、GoogleやAmazon、e-Bayなどインターネット系の新興企業が業績を伸ばす中でICT業界地図は様変わりした。

 成長する市場、つまりインターネット関連を除くと、ハードウエアの価格は相対的に低下し、パッケージソフトウエアの価格も単価が低くなるか、ネットで提供される安価なサービスにより取って代わられようとしている。つまり、既存のビジネスモデルは明らかに縮小しているのだ。

 その結果、市場規模がそれほど拡大しない中で、競争が激化し、企業買収により成長を持続する、あるいは敵を淘汰するという結果が生じる。

 既に、日本市場はいざ知らず、世界的にはハードウエア・プラットフォーム・ビジネスではIBM、HP、Dell3社の寡占体制は確立したといって過言ではない。(日本を代表するコンピュータベンダーである富士通はDellの半分の売り上げしかない)

 ソフトウエアプラットフォームでも確かにOracleは圧倒的な地位を確保しているが、インターネットとサービスが融合した「クラウドコンピューティング」の時代になると、その地位が安泰とまでは言えない。

 このような中で、取り敢えず買収はしたもののいまだお荷物の域を出ないハードウエア部門を再生させることはOracleにとって急務なのだ。

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