時代の流れで変わるリーダーの本質:海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(5/5 ページ)
「リーダーシフト」とはいったい何なのか? リーダーシフトが、従来のリーダーシップに取って代わるべき理由とは。組織を改善し、より適したリーダーになるためにリーダーシフトを生かす方法を教えます。
デモクラティックの動向
IKEAの顧客は、製品の運搬や組み立てなど、通常は小売店が行う数多くの作業を、自分の手で行っています。ビジネスの世界は、大きなIKEAのようなショールームに変わり始めています。これにより、従来の従業員の役割は消え始めています。かつては典型的な就労形態であった常勤労働も、時代遅れになってきています。その代わりに、企業は、フリーランス契約者や非常勤および臨時従業員に頼っています。労働者は、常に仕事を変えているのです。
オフィスの従業員の就業形態にも時代とともに変化が起こっています。契約社員やアルバイト、フリーターなどの就労スタイルを持つものが増えています。このような現代型の従業員で構成されるオフィスでは「現代の企業経営者は労働力の確保や従業員のサポートを得ることに苦心している」と本書は述べています。
なぜなら、従業員の多くが短期間で出たり入ったりするためです。また「フリーエージェント」は職場のリーダーに気を配る必要はありません。このような「末端従業員」が仕事をする組織は、彼らにコミットしていません。ですので、彼らもその組織にコミットする必要はないのです。
また、リーダーの職権や組織表上の位置も、自分たちがその表に乗っていないため、まったく気にしていません。さらに、彼らは部分的に企業にかかわっているだけであるため、雑音は無視することができます。結局、「フリーエージェント」という言葉の主な意味は「フリー(自由)」なのです。彼らは誰に従うかを自分で決められます。このような「末端従業員」は経営者の管理範囲の外にいるのです。そのため、彼らを指揮することは、少なくとも従来のやり方では、困難になっているのです。
オフィスとのかかわり方の基本が「フリー」である彼らは、従来型のオフィス集団に組みすることなく、また従来型のリーダーに従うこともせず、また、そもそも従来型のリーダーを必要としません。
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この本の詳細
- 著者:エマニュエル・ゴビロット。リーダーシップコンサルタント、著者、講演者として活躍しています。リーダーシップサービスの前責任者として、ゴビロットは、リーダーシップ、共同作業およびイノベーション問題に関し、世界トップレベルのCEO や経営チームと協議を行いました。
- ページ数 256ページ
- 出版社および発売日Kogan Page(2009年8月)
- 言語 英語
- amazonへのリンクはこちらです。
プロフィール:鬼塚俊宏ストラテジィエレメント社長
経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。
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