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「エーゲ海の真珠」イズミルで暮らすということエーゲ海から風のたより(2/2 ページ)

日本を離れたから見えてくる、日本にはないもの、日本の大切なものについて考える。

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日本とトルコの友好関係

 ところで、今年は、トルコにおける日本年なのだという。なぜ今年なのかというと、日本を表敬訪問していた当時のオスマントルコ帝国の戦艦「エルトゥールル号」が和歌山県の串本沖で遭難した悲劇から数えて120年目なのである。当時の串本の人々の献身的な救助活動が今日の日本とトルコの友好関係を築いたという。120年前の出来事を記憶に留めているのは、新しいものだけでなく、古いものを大切にするというトルコ人の特性なのかもしれない。

 一方、イラン・イラク戦争当時に、テヘランに取り残された日本人のために2機の救援機を派遣し、危機一髪のところを救出したのがトルコであることは、日本人には意外と知られていないかもしれない。

 日本からイズミルへのアクセスは、イスタンブールを経由して国内線に乗り換えるのが一番早い。最初にイズミルに来るときは、機体左翼側の窓側の席をリクエストするといいだろう。イズミル湾上空を左旋回して、「エーゲ海の真珠」と称されるイズミル市街が空から一望できる。空港から市内までは車で20分ほどフリーウェイを走る。しばらく丘陵地帯を走り、視界がぱっと開けたかと思うと、前方にイズミル湾の景色が眼前に迫ってくる。

 イズミルから南北に広がるエーゲ海沿いには、リゾート地が数多くある。その紺碧の海は、南欧のリゾート地に勝るとも劣らないほど魅力的でありながら、滞在費は格段にリーズナブルである。最近では欧州客を当て込んだ高級リゾートホテルも増えているようだが、リゾート地にありがちな喧騒に邪魔されない、手つかずの自然のなかで本来のリゾートライフが楽しめる場所がまだまだ多い。

 イズミルから近郊へは、日帰りで古代7不思議の1つであるエフェソスやトロイの遺跡、白色の石灰華段丘で有名なパムッカレに行くことができる。また、意外なのは、トルコには温泉地が多いことである。イズミル市内にもトルコで唯一、欧州温泉協会の認証を受けたバルチョバ温泉がある。

 この他、イズミル周辺には、ダイビング、サーフィン、釣りなどのマリンスポーツのスポットに加え、18ホールのゴルフ場もある。また、冬には、車で3時間位のところにスキー場もあるのでウィンタースポーツもそろっている。アウトドアに関しては、イズミルはまさにオールラウンドプレーヤーなのである。

著者プロフィール

永井 裕久(ながい ひろひさ)

筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授(海外研修休業中)、イズミル経済大学大学院経営科学研究科教授。専門は、組織行動学、人材開発。現在、イズミル経済大学においてMBA講義科目(Dynamics of Organization, Leadership Seminar, Organizational Behavior)を担当する傍ら、アジアと欧州の研究者と連携して、グローバルリーダーシップ・コンピテンシーのメタ認知学習に関する国際比較プロジェクトを進めている。編著書に、『女性プロフェッショナルたちから学ぶキャリア形成』ナカニシヤ出版(2009),『パフォーマンスを生み出すグローバルリーダーの条件』白桃書房 (2005)他、共著書、学術論文多数。


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