ソーシャルはゲームを変える好機、経営陣の関与が成否を分ける:Lotusphere 2011 Orlando Report(2/2 ページ)
フロリダ州オーランドで開催中の「Lotusphere 2011」は2日目を迎え、午前の基調講演では、「どのようにソーシャルに取り組めばいいのか」がテーマに掲げられ、企業の責任者らは異口同音に「経営陣の関与が不可欠」とした。
ソーシャルは避けるリスクではなく管理するリスク
IBMに続いてステージに招き上げられたのは、世界有数のセメント会社であるCEMEXとマサチューセッツ州ポストンの大手金融機関であるState Streetだ。
メキシコのCEMEXでイノベーションディレクターの肩書を持つジルベルト・ガルシア氏は、ソーシャルを導入し、透明性が高く、イノベーションへのインセンティブを明確にすることで、市場のニーズをつかみ、迅速に解決策を見つけ出す企業へと変えることができたと話す。
「ソーシャルの活用はリスクもあるが、機会もある。ソーシャルによって何を達成するのか、経営陣が明確に示し、関与することが成功のためには欠かせない」とガルシア氏。
日本でも大手機関投資家に金融サービスを提供しているState Streetは、米国の建国からわずか十数年後に設立された老舗だ。世界27カ国で2万7500人の社員が働く。同社でブランディングと生産性に責任を持つグレッグ・ウェルチ氏は、さまざまな部署でソーシャルメディアの活用は効果をもたらすが、顧客に対しては1つのブランド、1つの顔として顧客から見えるようにすることが重要だと考える。
「ソーシャルの活用でチャンスは広がる。懸念の声もあるが、本質的には問題はこれまでと変わらない。ルールをどう作るかだ。避けるリスクではなく、管理するリスクと捉えるべきだ」とウェルチ氏。
会期中、IBMでソーシャルソフトウェアを統括するジェフ・シック副社長に話を聞いたが、「ソーシャル」という呼び名が生まれるずっと以前からLotusは、人と人をつなぎ、情報を適時・適切に共有できるソフトウェアを開発してきたとする。
「ソーシャルは、人のネットワークを活用し、ビジネスに価値をもたらすもの。全く新しいものではなく、コラボレーションの進化形と捉えるべきだ」とシック氏は話してくれた。
シック氏はまた、CEMEXやState Streetと同様、ソーシャル活用の成功には「経営陣の支援」が欠かせないとする。それはソーシャルの活用が企業の文化に深く関わるものだからだ。
なお、今年のLotusphereでは、エグゼクティブを対象とした「Social Business Industries Symposium」を初めて併催し、インダストリーごとにブレークアウトセッションも行われている。
関連キーワード
Lotus | IBM | コラボレーション | 経営 | Lotusphere | Lotus Connections | Notes | Project Vulcan | コミュニケーション | ソーシャルメディア
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.