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毎日使って慣れ親しんでいるコミュニケーションツールだからこそ震災時にも役立つ――日本マイクロソフト 越川CQOITmedia エグゼクティブセミナーリポート(2/2 ページ)

3月11日に発生した東日本大震災を受けて、コミュニケーションツールのあり方が問い直されている。日本マイクロソフトでは、日頃から取り組んできたワークスタイル変革が、震災直後の従業員安否確認から、オフィスの電力消費を抑えるための在宅勤務まで、さまざまな面で役に立ったという。

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震災直後の状況把握に「日頃から慣れ親しんでいるツール」が活躍

 東日本大震災が発生した時点で、まさにこのようなワークプレイスが整った状態だった日本マイクロソフト。オフィスにいなくても、オフィスと同じようにコミュニケーションでき、業務を遂行できる環境が、そのまま事業継続に役立った。

 「3月11日、地震発生直後の安否確認にはLyncのプレゼンス機能が活躍した。例えば名前の一部からでも連絡したい相手を検索でき、即座にインスタントメッセージを送ることができる。東北支社では停電で従業員の閉じ込めが発生したものの、チャット上で連絡を取り合って解決できた」(越川氏)

 地震発生後1時間以内に社長室に震災対策本部が設置され、そこにファシリティー部門スタッフも加わり、状況把握に努めた。このような連携もまた、チャット上で行われたという。

 「チャットの内容は全てログに残るようになっており、ログから必要な部分を切り出してメールで送り、参加していなかった人も情報を共有することができる。毎日活用し、慣れ親しんでいるコミュニケーションツールだからこそ、迅速な対応が可能になる」(越川氏)

 そして当日中には、震災時に本社を訪れていた来客の安否を最優先で確認し、帰宅困難者に会議室を宿泊スペースとして解放、備えてあったサバイバルキットに加え食堂から非常会談で食材を最上階の顧客フロアに運び来客者に提供した。、

 震災後1週間は、交通網の混乱や電力不足に対応するため従業員の在宅勤務を推進、最大85%もの従業員が在宅勤務を行ったという。もちろん、従業員の勤務状況の把握や社内外へのコミュニケーションにも、震災前から整備してきたUC製品が活用されている。

 この震災後の在宅勤務実績を受け、柔軟なワークスタイルを実現するという観点から在宅勤務ガイドラインを変更、現在では全部門・全社員へ適用範囲を拡大しているという。

震災直後の支援サービス構築や、夏へ向けた節電の取り組みも実施

 震災後、IT企業各社は被災した住民や自治体、ボランティアなどの活動を支援するための多数のサービスを迅速に開発してきた。日本マイクロソフトも、被災自治体などのミラーサイトをはじめ、TOYOTAのカーナビ情報を集約した「通れた道マップ」や、文部科学省の放射線モニタリング状況のサイト構築を支援した。クラウドサービス「Windows Azure」の活用により、ミラーサイトなら1サイトあたり平均2〜3時間という短時間で構築できたという。

 「社員の安全が迅速に確認でき、事業が中断なく継続できているからこそ、こういった対応が可能になった」(越川氏)

 そして今後、原発事故を受けて電力供給能力が平年より低下している状況が続く中で、冷房により電力需要が高まる夏本番に向けピーク時消費電力の削減が求められている。

 震災以来、日本マイクロソフトではオフィスの照明を大幅に減らし、節電を行っている。オフィスでは65%、来客フロアでは75%も照度を下げているという。 「照明を低減したことが、最も節電効果が大きい。3月22日からは通常勤務に戻っているが、在宅勤務でオフィスを消灯したことが節電に大きく効いた。7〜9月には、品川本社勤務の社員は原則オフィスを使わない在宅勤務日やフロア毎の在宅勤務週間を設けて節電に努める方針」(越川氏)

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