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社長は現場へ出て自分の目で確かめよ!人を信じても、仕事は信じるな!(3/3 ページ)

真実は時と場所を共有しない限り理解できない。社会の変化、お客さまの要望など 現場へ行って自分の目で確かめなければ本当のことは分からない。

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しくみとは「嫌でも、自然にそうしてしまうもの」

 社長はどんどん現場に出なければならない。

 そう言われてすぐに実行できるほど、人間は優秀ではありません。分かっていても、ついつい社長室に閉じこもってしまうのが人間です。そんな人間心理を理解し、それに即した経営をすることが重要です。要するに、社長が現場へ出て行くには、相応のしくみが必要です。

 しくみとは「嫌でも、自然にそうしてしまうもの」のことです。一例を挙げるなら、武蔵野の社長の机にはイスがありません。角材で机の位置を高くして、立ったまま仕事をするようにしています。これは社長だけでなく、内勤の人を除いた部長や課長も同じです。

 いくらなんでも1日中立って仕事をするのはつらいので、どうしても座りたくなります。すると、仕方なく車に乗って営業に行くようになるしくみです。

会議だってもちろん立ったままでやりたい気分です。「真実は現場にある」というのに、2時間も3時間も会議室にこもっていても無意味です。といって、「会議は短くしましょう」と言うだけで短くなるほど人間は優秀ではありません。

 そんなわけで、会議のしくみは変わっています。実際、武蔵野の会議は通常1時間くらい。長くても1時間半です。一人ひとりの話が長くならないためのしくみもあります。会議ではタイマーをセットして、一人の話が5分経過するとアラームが鳴り強制終了するようになっています(会議によって設定時間は異なる)。

 「話は簡潔にすべき」ということくらいは中学生でも知っていますが、放っておいたら必ず誰かが長話をします。そこで武蔵野では、ダラダラと長く話すと罰金を払うルールがあります。ちなみに、遅刻をしても罰金です。他人の時間を無駄にするのは、泥棒と同じです。盗みをはたらくような人に罰金を科すのは当たり前です。

 一人が話す時間を決めるのも、罰金を科すのも、「数字は言葉」を体現した制度ということができます。「簡潔に話せ! 」「他人の時間を無駄にするな! 」と言うより、「5分以上話したら打ち切り」「1分遅刻したら1000円罰金」と具体的な数字を示せば、メッセージはよりストレートに伝わります。それだけ高い効果が期待できるというわけです。集めた罰金は社員旅行等のイベントで返すしくみがあります。

著者プロフィール:小山 昇

株式会社武蔵野 代表取締役社長。全国の経営者でつくる「経営研究会」主催。1948年山梨県に生まれ、東京経済大学卒業後、日本サービスマーチャンダイザー(現在の株式会社武蔵野)に入社。昭和52年に株式会社ベリーを設立し社長に就任、昭和62年に現職に就任。 平成2年、株式会社ダスキンの顧問に就任。平成4年顧問を退任、現在に至る。 株式会社武蔵野は、国内企業で初となる2度の経営品質賞を受賞。(2000年、2010年)その経営ノウハウを活かし、“中小企業の経営品質”にフォーカスした講演活動や書籍出版を行っている。


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