第一幕:リハーサル
第一印象はわずか7秒で決まります。そのため、俳優は配役の募集が掛けられた時、どうにかして強い印象を与えようとします。営業マンも同じ課題に直面します。もし第一印象が良くなければ、見込み客に追いだされてしまうからです。
最初の売り込みで見込み客の心をつかむには、次の3つの演技テクニックを試して下さい。それは、堂々とすること、影響力のある話し方をすること、そして、商品を購入することのメリットを想像させるなど、顧客にとって特別な経験を生み出すことで、顧客を引き込むことです。
俳優が配役募集に向けて準備するように、見込み客とのミーティングの準備を整えて下さい。親しみやすく穏やかな性格であるという印象を与えて下さい。また、同じ顧客に営業電話をかけるライバルの営業マンよりも目立って下さい。そして、見込み客の細かなところにまで気を配って下さい。自信を持ち、集中することが重要です。
優秀な俳優は、自分の役を自分の性格に合わせます。自分は営業マンの役を演じていると思って下さい。自分の性格を、クローザーや、営業電話担当者、交渉担当者などの型にはまった役割に押し込めてはいけません。自分に合った営業スタイルを見つけて下さい。代償行為などのネガティブな行動は避けて下さい。
例えば、多くの営業マンが営業電話をかけることを苦手としています。そのため、すでに知っている、拒絶をしない人にだけ連絡を取ります。しかし、そのような人から新しいビジネスが生まれることはありません。優秀な営業マンの性格特性を分析して下さい。優秀な営業マンは、例えば、積極的、前向き、快活、粘り強い、自信がある、活動的、集中力があるなどの性格特性を持っています。人生の中でこのような性格特性を発揮した瞬間を思い出して下さい。そして、営業電話をする際は、その性格特性を行動に取り入れて下さい。
ほとんどの俳優がオーディションを渡り歩きます。そして、同じ役を狙っている他の俳優に勝ちたいと思っています。オーディションのプロセスは、営業マンが見込み客とのアポイントメントを獲得するためにかけなければならないエンドレスの営業電話のそれとまったく同じです。では、このような時間がかかり、ストレスのたまるプロセスの中、俳優はどうやって精神力を保っているのでしょう?
いくつかあるテクニックの中で、彼らは特に「直前テクニック」を使っています。そのテクニックとは、大量に発注したいという顧客から電話がかかって来るなど、ポジティブな経験を思い出すことです。
このような記憶とその時に覚えた感情をできるだけリアルに思い出して下さい。そして、心に沸き上がった快感に浸って下さい。同じようなことが起きるかもしれないという期待を胸に、営業電話をかけて下さい。よりやる気を持てるようになります。
俳優は、ステージに上がる前やオーディションに挑む前、念入りにウォーミングアップします。それと同じように、営業マンも営業訪問の準備の一環として次のようなウォーミングアップを取り入れて下さい。
営業マンが行う重要な事前準備とは?
・身体のウォーミングアップ
深呼吸をして、身体の力を抜いて下さい。背筋を伸ばして立ち、ぬいぐるみのように力を抜き、ゆっくりと身体を前に倒し、頭を下に向けて下さい。そのままの姿勢で両腕をゆすって下さい。それからゆっくりと身体を起こして下さい。顔をしわくちゃにし、表情筋をほぐして下さい。
・声のウォーミングアップ
正しく呼吸し話すには、「バ、バ、バ、パ、パ、パ」や「カ、カ、カ、ガ、ガ、ガ」などの発声練習をして下さい。
・心と感情のウォーミングアップ
プレゼンテーションをおさらいする際は、前向きな感情になれた時のことを思い出して下さい。
・待合室でのウォーミングアップ
集中力を維持して下さい。適当な雑誌を読んだりしてはいけません。「直前テクニック」を活用して下さい。エネルギーを浪費したり、精神的鋭さを損なわせたりしてはいけません。
準備段階で大切なこと、それは、自分が「営業」という配役をこれからやるんだと思うことです。そして、その役を演じるにあたって自分の性格を考慮し演じやすいストーリーを予め作ることなのではないでしょうか? もちろん、演じるには誰でも少なからず緊張するものです。より自分らしい役を演じる事ができるようにここに書かれている4つのウォーミングアップを行うことが大切です。
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