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部下がノートを取らないんです田中淳子のあっぱれ上司!(2/3 ページ)

「せっかく教えているのに、ノートを取らない」「メモするのはいいけれど、すぐどこかに無くしてしまう」――こんな部下、あなたの周りにもいませんか?

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ノートの固定化

 「メモするのはいいんだけど、その時、その場にある紙に書くから、あとでどこに書き留めたか自分でも分からなくなっちゃうみたいなんですよ」という嘆きも聞く。

 つまりこうである。

 書いたプログラムがうまく動かなかったため、部下がリストを出力して、上司や先輩のところに持ってくる。あれこれ指導してもらって、教わったことをそのリストに記載する。習った通りにプログラムに修正を加えると問題は解決した。「ああ、よかった」と思い、そのリストをどこかにしまいこむか廃棄してしまう……。

 次に似たようなことが起こったとき、そのメモは見つからなくなってしまう。会議で出た話は会議用の資料上にメモするし、先輩との会話で教わったことはその時手元にあった資料に書き込む。そのこと自体は悪いとは言えないのだが、結果的にメモが分散されるので、後で検索しづらいという課題が残る。その時々で記録する媒体を変えてしまうから、こういうことになる。

 そういう若手の動きをよく観察したあるマネジャーは、「ノートの固定化」を思いついたという。

 ある新入社員の指導に当たっていたマネジャー氏は、彼に大学ノートを1冊与え、「OJTのQ&Aノート」と表紙に書かせた。そして、教えてもらったこと、質問に答えてもらったこと、あるいは注意を受けたことなど、なんでも構わないから「習った順番」にノートに記録していきなさい、と指示を出した。「IT関連」「業務関連」などとタグをつけてページを分けるのではなく、とにかくシーケンシャルに日付と内容を記録していくのだ。後日ノートを見ると、「関数の使い方」「交通費清算の仕方」と並んで、宴席で教えた「魚の顔は左」というメモもあったそうだ。

 マネジャー氏によると、ポイントは「質問・疑問」と「回答」(=教わった内容)をセットで記録することだという。

 教わっている方は「回答」だけを記録してしまうことがある。特に習いながら記載する場合は、時間もないので「回答」を書くだけで必死になる。後で質問も書き足せばよいのだが、ついつい後回しにしている内に書き込むのを忘れてしまう。こうなると、後でノートを見た時に、「はて、何についての解説だろう?」と書いた当人すら分からなくなってしまうのだ。

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