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最高のチームに変わる「仕組み」のつくり方ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

部下が自発的に望ましい行動を繰り返し、成果を引き出すようになるには?

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 仕組みの導入は「部下を思い通りにコントロールする」「行動の一つ一つを管理する」と、解釈されがちですが、そんなことはありません。目的はあくまでも成果を出すことにあります。部下が喜んで自発的に仕事をしてこそ、成果は挙がるのです。

 部下にとっては、「考えをあらためる」とか「性格を正す」とかいった「自分を変える」必要はない。変えるのは「行動」のみです。

 リーダー、マネジャーに任命されたからといって、わざわざ部下に好かれようとする必要はありません。腹を割って話す必要も、ましてや「人格者」になる必要もありません。

 仕組みを導入することで、相手の内面にアプローチするマネジメントから解放されるのです。行動の変化は少しずつで構いません。

  • いくら努力しても売り上げが伸びない
  • 一生懸命部下を鼓舞しても、真剣に仕事に向き合わない
  • 閉塞感や諦めムードが漂い、社内の雰囲気が良くない

 もし今、あなたの会社がこのような状態だったとしても、仕組みが動き出せば、会社は大きく変わるはずです。1日1回の声掛け、無駄な会議や書類の廃止、行動の観察と分析……。「仕組みづくり」といっても、大げさな作業ではありません。ちょっとした行動の変化だけで、組織・チームは間違いなく変化します。

 「スモールゴール」と呼ばれる小さな目標を一つずつクリアし、最終的に大きな目標=「ラストゴール」にたどり着くのが、新しいことを始める際のコツです。例えば会議の廃止も、一気に全てを変えるのではなく、ちょっとずつ。週1回だった会議を隔週にし、さらには月1回へ。そうして段階的に変化させていけばいいのです。

 ビジネスの世界では、3年後、5年後のことを考えて手を打っていかなければなりません。さらにいえば、10年、30年先のビジョンも描いていくべきでしょう。

 近年、AIやloT、ブロックチェーンを中心に技術革新が猛スピードで発展しています。一説には技術革新によって2030年までに現在ある仕事の50%は消滅するといわれています。このような厳しい時代だからこそ、何か手を打っていかなければいけないはずです。

 本書の中には、成果に結び付くピンポイント行動の見つけ方、部下との信頼関係のつくり方、劣後順位の付け方など、さまざまな行動の変え方を仕組みとして導入するには、どうしたらよいかを解説しています。

 大掛かりな制度の改変や人事に関わることは、経営者が決めることですが、本書で解説していることは、現場のリーダー、マネジャーが「会社ぐるみではなくできること」がほとんどです。ぜひ、現場でできる仕組みづくりを実践してみてください。

著者プロフィール:石田淳(いしだ じゅん)

ウィルPMインターナショナル代表取締役社長兼最高経営責任者・社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事・アメリカの行動分析学会ABAI会員・日本行動分析学会会員・日本ペンクラブ会員・日経BP主催『課長塾』講師。米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジし、「行動科学マネジメント」として確立。その実績が認められ、日本で初めて組織行動の安全保持を目的として設立された社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事に就任。グローバル時代に必須のリスクマネジメントやコンプライアンスにも有効な手法と注目され、講演・セミナーなどを精力的に行なう。趣味はトライアスロンとマラソン。2012年4月にはサハラ砂漠250キロマラソン、2013年11月に南極100キロマラソン&南極トライアスロン、2017年10月アタカマ砂漠マラソンに挑戦し、いずれも完走を果たす

主な著書に『短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント』(ダイヤモンド社)、『行動科学を使ってできる人が育つ! 教える技術』(かんき出版)、『課長の技術 部下育成バイブル』(日経BP社)、『「生産性」をあげる技術』(宝島社)などがある。


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