マーケティングを学び「アニマルスピリット」を発揮せよ! 『【新】100円のコーラを1000円で売る方法』:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
「アニマルスピリット」とは、次々と新しいことに楽しみながら挑戦する野心や情熱のこと。これこそが、ビジネスの原動力。マーケティングを学んで能力をアップさせて成果を挙げることで、アニマルスピリットをさらに発揮しよう。
新たに『【新】100円のコーラ』を書いた理由
『【新】100円のコーラ』は、2011年刊行の『100円のコーラを1000円で売る方法』(以下『100円のコーラ』)の続編です。
『100円のコーラ』は、主人公である宮前久美が悪戦苦闘しながらマーケティングを学んで成長するストーリーです。10年以上にわたってマーケティング初心者の定番本として読み継がれ、ありがたいことにシリーズ60万部のベストセラーとなりました。
最新作『【新】100円のコーラ』は、主人公が宮前久美から日吉慶子にバトンタッチして、渋谷を舞台に仲間たちとチームになって、業界最大手のライバルと戦いながら、社内起業プロジェクトに挑戦する物語です。登場人物、ストーリー、紹介するマーケティング理論は一新しています。今回、新たに新作を書き下ろした理由は、次の3つです。
理由1、この10年で、新たなマーケティング理論が次々と登場した
例えば近年否定されがちなマスマーケティングの重要性を指摘したバイロン・シャープのマーケティング理論、顧客開発モデルやリーンスタートアップといったスタートアップで広く活用され始めた商品開発の方法論、さらにサブスク戦略などです。
理由2、この10年で、古くなったマーケティング理論や誤解もある
「既存顧客を大切にせよ」と いうかつての常識は、必ずしも常に正しいとは限らないことが分かっています。他にもマーケティングではさまざまな誤解があります。
理由3、この10年で、日本がデフレ経済から普通の市場経済に戻った
日本はやっとデフレ経済から脱却して、金利がある普通の市場経済に戻りました。今必要なのは、アニマルスピリットを持ってリスクに挑戦することです。
そして『【新】100円のコーラ】』は、必ずしも前シリーズ『100円のコーラ』を置き換えるものではありません。実はこの2冊は、生まれた背景と狙いが異なるのです。
『【新】100円のコーラ』と『100円のコーラ』、オススメはどちら?
現代のビジネスの現場では、マーケティングの基本用語が飛び交うシーンが増えましたが、それらを正しく使いこなせずに困っている人も増えています。こういった人に応えるために、本書『【新】100円のコーラ』は「マーケティングの本質が分かり、重要なマーケティングの基本用語を理解して使いこなせる一冊」として書きました。
一方で十数年前に『100円のコーラ』を刊行した当時は、「マーケティング」という言葉は現代ほど一般的ではありませんでした。マーケティングの考え方は必要とされていましたが、「マーケティング」という言葉自体にアレルギーを感じる人も少なくありませんでした。そこで2011年刊行の『100円のコーラ』は「マーケティングの基本用語すらもあえて最小限の使用にとどめて、マーケティングの基本用語を学ばなくても凝縮したマーケティングのエッセンスを楽しみながらつかめる一冊」として書きました。
「マーケティングの基本用語を学んで、使いこなしたい」という人には、本書『【新】100円のコーラ』をオススメします。本書が分かれば、自分の仕事でマーケティングを使えるようになるはずです。一方で「マーケティングのキモだけをつかみたい」という人には、『100円のコーラ』がオススメです。
なお『100円のコーラ』の主人公・宮前久美も、本書『【新】100円のコーラ』にチラッと登場します。興味がありましたら、ぜひチェックしてみてください。
マーケティングは、現代の必須ビジネススキルです。本書があなたのアニマルスピリットを解放し、日本を元気にする一助となることを願っています。
著者プロフィール:永井孝尚(ながい たかひさ)
マーケティング戦略コンサルタント。
慶應義塾大学工学部を卒業後、日本IBMで大和研究所の製品開発マネージャー、ソフトウェア事業の戦略マーケティングマネージャー、人材育成責任者などを経て、2013年に退社。同年多摩大学大学院客員教授を担当。マーケティング戦略思考を日本に根づかせるためにウォンツアンドバリュー株式会社を設立。多くの企業へ戦略策定支援、講演・研修を提供。2020年からオンライン「永井経営塾」を主宰し、仕事に役立つマーケティング・マネジメント戦略を伝え続けている。
主な著書に60万部超『100円のコーラを1000円で売る方法』シリーズ、23万部超『世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』シリーズ(すべてKADOKAWA)、10万部『これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング』(SB新書)などがあり、著書累計は100万部を超える。
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