未来の災害を可視化 都市の立体データサービス「プラトー」、自治体で防災活用広がる
都市の精密な立体データをパソコンなどの端末で閲覧できる国土交通省のサービス「PLATEAU(プラトー)」の防災活用が自治体などに広がっている。災害発生時の町の様子を細かくシミュレーション(想定)できるのが特徴。東日本大震災から15年がたち人々の記憶が風化するなか、自治体側には見慣れた町の姿が災害時にどう変わるのかを共有し、多くの人に当事者意識を持ってもらいたい狙いがある。
避難所への最適なルートなど提示
東京都板橋区は、大雨で荒川の堤防が決壊した場合の被害想定の映像を、プラトーのデータをもとに作成、公開している。決壊後30分未満で5メートル以上の浸水が予想される舟渡(ふなど)、新河岸(しんがし)、高島平の地域が対象で、この地域の面積は区全体の3分の1を占める。
映像では時系列で浸水状況を整理しており、被害がどのように広がるか確認できる。また、画面上で自宅を設定すれば、避難所への最適なルートが示される。
すでに地域の避難訓練でも活用されており、板橋区の担当者は「子供たちからも『非常に分かりやすい』との声がある。被害想定は町の再開発を行ううえで、検討材料にもなっている」と説明した。
導入地域は総人口の半数以上に
プラトーは2020年度に運用開始。建築物の高さや屋根の形状など細かな情報も含め、仮想空間に都市を再現できる。導入自治体は全国1741の市区町村のうち、今月末で約320に達する見通し。総人口の半数以上が導入地域に居住している。
設計に必要な情報は無料公開されており、自治体側で町の発展にあわせて更新できる。各地で積雪による建物の損壊リスク判定、火災発生時の延焼予測、土石流発生時の建物の損壊予測などへの活用例がある。
課題はデジタルに強い人材の確保や、自治体の持ち出しとなる費用の負担だ。
国交省では不動産開発やゲームなど防災以外の用途でも使ってもらい、プラトーに触れる人口を増やす考えで、先進的な試みに対しては補助金を設けてきた。担当者は「各自治体が被害想定を行い、避難行動を変えていくことが目標。防災や町作りでプラトーを使用する自治体を多数派にしていきたい」と話した。(織田淳嗣)
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「セキュリティは事業を活かす出汁、責任者はCIMOで目指せ」 - JTB 椎野氏
-
2
「CISOは1人の経営者たれ」――ログの先の人を思う、LayerX CISO 星氏
-
3
スキルの向上だけでは成長は望めない――より重要になる「成長マインドセット」とは
-
4
ITmedia エグゼクティブ勉強会スケジュール
-
5
第50回:なぜ「優秀なマネジャー」ほど経営に嫌われるのか
-
6
重要文化財の弁財天像 3Dデータ化で確実に継承へ 「将来に残したい」神奈川・江島神社
-
7
本田技研工業のDXはボトムアップとトップダウンで“Hondaらしく推進”
-
8
「人間洗濯機」が高齢者施設に 福祉の現場に万博技術導入 人手不足解消や産業成長に期待
-
9
味の素社が挑む“dX”とAI駆動開発――“企画・開発・営業ができる人財”が新規事業を加速する
-
10
話題のチーズティーを飲んでみる
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー