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情報統合の難しさとその価値(2/2 ページ)

情報活用の必要性は多くの企業で認識されている。しかし、アプリケーションで分散管理されているために、その実現が困難になっている。情報統合を実現させる方策はあるのか?

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マスターデータの統合でもたらされる“価値”

 石井氏は、データ統合を推し進めるべき情報の1つとして、顧客情報や商品情報などの「マスターデータ」を挙げる。これまで、マスターデータは個々のアプリケーションごとに管理されていたが、それらを独立させるとともに情報間の整合性をとることで、分析システムやトランザクションシステムに、横断的にマスターデータを提供することできる。ひいては、さまざまな業務を通じて収集された情報の多面的な分析が可能になり、SCMやCRM分野で大きな効果が見込まれるわけだ。

 「マスターデータを統合し、それらの分析環境を整備することで、クロスセリングの強化や業務プロセスの見直し、サービスの拡充などを見込むことができる。売上増加やコスト低減、販売チャネルの強化といった多様な効果を期待できるようになるわけだ」(石井氏)

 情報統合は、システムの新規開発を容易にし、それに掛かるコストの低減にもつながる。統合作業を通じてデータモデルの標準化や、データに対するシングルビューが提供されるためだ。また、情報の信頼性が高まることで、“戦略情報”の精度も必然的に高まることになる。

 「SOAにより情報統合のための基盤を構築するだけでなく、マスターデータを統合することで意思決定を支援する環境を整備する。経営環境がますます厳しさを増すなかで、より大きなイノベーションを生み出すために、情報統合の価値はますます大きくなっている」(石井氏)

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