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【第3回】世にもおかしな日本のIT組織(3)〜IT部門から消えた次世代三方一両得のIT論 IT部門がもう一度「力」をつける時(3/3 ページ)

かつては業務の流れ、業務基準を熟知している生き字引のような人がIT部門にいた。システムのブラックボックスよりも、業務全体の最適な流れを把握する人材がいなくなったことはもっと危険だろう。

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 今や30代後半の中堅社員が若手といわれる。これからもIT部門の経費削減の努力は粛々と続けられていくのだろうが、もはや、人を育て、技術を伝承し、ノウハウを積み上げていく体制を復活させるのは至難の業だろう。

 振り返ると、わたし自身にも3人の師匠がいた。「物事を正面から見ずに、側面・後ろから見る」「人を育てるのは、教えるのではなく育つ環境をつくること」「既存の仕組みを否定し、まったく新しい視点で企画をする」――師匠といえる先輩の背中を見て育ったから、今のわたしには斬新なアイデアがいくつもあるのだと思っている。

 先のバブル期に入社した連中の中には、わたしを師匠と呼んでくれるメンバーもいる。数年前に海外でERPを導入したプロジェクトでは、システムインテグレーターのSEから師匠と呼ばれた。現代的ではないのかもしれないが、IT部門には「日本の技」の伝承が必要だ。それに魅力を感じ、盗み取ろうとする文化や風土がいる。

 そう感じるのは、わたしだけだろうか。

プロフィール

ウイングアーク テクノロジーズ株式会社 協創企画推進室 岡 政次(おか まさじ)

三重県出身1959年生まれ。1977年シャープ株式会社に入社。本社IT部門に在籍、10年強の新人教育、標準化・共通システム化を担当。さらにシステム企画担当として、ホスト撤廃プロジェクト、マスター統合、帳票出力基盤の構築等に携わる。2007年4月、ウイングアークテクノロジーズ株式会社に入社。現在、経営・エンドユーザー・IT部門の「三方一両“得”」になるIT基盤構想を提唱し、「出力HUB化構想」を推進する。


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