【第3回】ITIL導入には人員カットの覚悟が必要か:サービスマネジメントに新たな波(2/2 ページ)
CIOたちの悩みの種は、ITILの実装によるコスト負担だ。リスクをリターンに変えるには、的確な判断と強い意思が必要だという。
Webサービスを取り込むITIL 3.0
2007年の5月には、ITILの第3版がリリースされた。いわゆるITIL 3.0である。このバージョンは、7つではなく、5つのコアサブジェクトを扱うものになっている。すなわち、サービス設計、サービス導入、サービスオペレーション、サービス改善、そしてサービス戦略だ。
この新バージョンで削り取られたものはない。むしろ内容が再編され、よりアクセスしやすいフォーマットに改善されている。ITILのパイオニア、ジョンソン氏によると、バージョン3.0はビジネス活動の変化や最新のITサービスを反映させ、第2版をアップデートしたものだという。とくに新バージョンは、Webサービスを取り込んでいる。
オークランド郡のバートリーニ氏は、チーム一丸でサービスへのアプローチを改善する中、新しいバージョンへ期待を寄せる。今世紀はじめにITILを実装して以来、バートリーニ氏の部署ではデータウォッチ・コーポレーションのサービスデスクソフトウェアを破棄し、CAのUnicenterでインシデント管理関連のプロセスをリエンジニアしてきた。
新しいITILがリリースされたら、バートリーニ氏と部下のITプロジェクトマネージャ、ノーマ・ミラー氏は、その内容にそってサービス戦略を修正する考えだ。
ITILへの取り組みを担当するミラー氏によると、オークランド郡では定期ワークショップを開催し、新バージョンがプロセスマネジメントに今後どのように影響していくか、イントラネット上で発表する予定だという。
「サービスとはそういうもの。常に変化する」とミラー氏は語る。
「いまわれわれはベストプラクティスを実践しているが、それらをスタッフが遵守し、必要な変化に積極的に対応できるかどうかは、すべてわれわれの肩にかかっている」
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