CEOの8割が「ビジネス変化を好機」だと感じる IBM調査
IBMが2年に1度実施するCEO調査の中で、大半のリーダーが変化に対応するために抜本的な改革が必要だと考えていることが明らかになった。特に「貪欲」で「社会に関心の強い」顧客が影響を与えるという。
米IBMは5月6日(現地時間)、CEOを対象にした調査「IBM Global CEO Study」の調査結果を発表した。ビジネスにおいて今後大きな変化が起こると予測するリーダーが増えたとともに、その変化に対応する能力の差がグローバル経済における勝ち負けを左右することが明らかになった。
同調査は、40ケ国、計1130人のCEO、経営層、公共機関のリーダーを対象に、2007年後半から2008年前半にIBMが実施した一連のインタビュー結果に基づくもの。調査によると、CEOは変化を競争力アップの新たな機会ととらえており、全体の83%が今後抜本的な変革が必要だと考えている。これは2006年の調査と比較して28%増加した。
自社が対応すべき最も重要な変化として、CEOは特に「情報に貪欲(どんよく)な顧客」と「社会意識の高い顧客」を挙げ、これらの顧客層に対応するための投資を強化していくとしている。
あらゆる種類の情報の入手を強く望む貪欲な顧客は、インターネットで全世界に自らの意見や期待を発信する特徴を持つ。彼らに対して、CEO全体では今後3年間で投資額を22%増やす計画があるという。地域別に見ると、欧州は23%(3年前と比べて20%増)、北米は19%(同、27%増)、アジア太平洋地域は16%(同、20%増)、南米では16%(同18%増)であった。
社会に関心の高い顧客は、CSR(企業の社会的責任)に期待を寄せており、社会意識の高い製品やサービス、サプライチェーンなどを求める傾向にある。CEOは、彼らを理解し対応するため、今後3年間で投資額を25%増やそうと考えている。中でも、環境問題に関するCEOの問題意識は過去4年間で倍増した。しかし、世界中で一様に広まっているわけではなく、アジア太平洋地域と欧州のCEOが最も力を入れているという。
また、グローバルにビジネスを統合する機会を得るため、75%のCEOは新市場へ積極的に参入したいと考えているほか、85%はグローバルな統合による機会を活用して他企業との提携を推進する意向だという。
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