業務改革の原動力となるのはやはり「ヒト」:今こそ攻めのIT投資を(2/2 ページ)
いかなる経営者にとっても、企業の利益の最大化と継続的な成長こそが最大の関心事といえる。それを実現するための経営手法の1つがBPMである。日本企業への普及に向けて“草の根活動”を行う日本BPM協会の横川省三事務局長に、BPM導入の勘所を聞いた。
なぜ進まない?
話を戻そう。現場のニーズもあり注目を集めたBPMだが、なぜ日本企業で導入が進まないのだろうか。「経営者がIT投資に後ろ向きな点が一因だ」と横川氏は指摘する。「IT部門にも責任がある。彼らは大半を既存システムのメンテナンス業務に費やしているため、これ以上新しいタスクを増やしたくない。従って、(導入に際して負担のかかる)プロセス改善を行おうとはしない」ともいう。
また日本企業には、システムをカスタマイズし、独自の業務ルールをつくる文化が根付いていることも足かせになっている。横川氏は「業務プロセスを標準化し、可視化していくことがBPMを推進する第一歩になるはずだ」と強調した。
BPMは一朝一夕で習得できず
その原動力として期待されるのは、やはり「人」である。同協会も現在、人材育成事業に力を注いでいる。「推進役となる人材が育っていないのが課題だ」と横川氏は懸念する。今後BPMの旗振り役として期待される業務改革部門や情報システム部門の30〜40代社員を対象に、BPMの基礎知識を体系的に教える入門的なプログラムなどを実施しBPMの人材教育を図っている。
自らも講師役として全国を駆け回る横川氏は、「BPMのコンセプトを説明するのは難しく、参加者も一朝一夕では習得できない。業務改革は企業で日常的に求められるため、BPMのノウハウを身に付け、業務プロセスの改善を推進できるような人材を育てていきたい」と意気込んだ。
米国の景気後退、原油高、インフレ圧力などを背景にして日本経済は「景気後退局面」に入ったと言われています。こうした局面に突入したとき、日本企業はひたすらコスト圧縮、削減して利益、シェア確保と「嵐に耐える」施策で厳しい環境変化に対応してきました。しかし、もはやそれだけでは対応しきれないし、生き残れない時代になったとはいえないでしょうか。なぜなら厳しい環境の中で業績を伸ばす企業があらゆる業種で出現するようになったからです。それによって、マーケットそのものが変化し、業界の構図が一変するのです。
そんな時代に必要なものは何でしょうか?
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