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日本の製造業が世界で勝ち抜くためには――「地球企業への変革」経営のヒントになる1冊

従来のようにグローバル対応と現地化をやみくもに進めていては、より激化するグローバルでの企業競争に勝機はない。

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 100年に一度といわれる金融危機が進行する中、グローバル経済は大きな影響を受けており、特にグローバルでビジネスを展開する製造業へのインパクトは絶大である。

 このような緊急事態を受け、多くの企業の経営トップが危機への対応メッセージを出している。それらに共通するのは、現在のビジネス環境の変化を機会ととらえて、グローバル化をさらに推し進めるべきだと認識している点だ。

『地球企業への変革――未来を勝ち取るグローバル製造業』 編者:日本IBM GIE研究会、定価:2100円(税込)、体裁:四六判 270ページ、発行:2008年10月、工業調査会
『地球企業への変革――未来を勝ち取るグローバル製造業』 編者:日本IBM GIE研究会、定価:2100円(税込)、体裁:四六判 270ページ、発行:2008年10月、工業調査会

 本書ではグローバル製造業の課題として、現地を理解するグローバル人材を活用して消費者や市場が求める魅力的な製品、サービスを企画できるか、それらを適切な価格でタイムリーな提供が可能であるか、ビジネスの好機が生まれる場所とタイミングを把握して、どこまでマーケットごとの要求に対応できるかが企業の収益を大きく左右するとしており、従来とは異なる企業変革の必要性を説く。

 本書のコンセプトである「GIE」は、Globally Integrated Enterpriseの略語で「グローバルに統合された企業」と解説されている。具体的には、従来からのインターナショナル企業や多国籍企業では実現できない新たな次元でグローバル対応を実現する企業モデルを指す。GIEは企業の資産を最大限に活用するために、企業が備えるべき機能を地球全体で最適化し、将来の経済発展の動向に応じて、資源の再配分を迅速に行うことが可能だという。

 GIEはイノベーションによる地球全体での価値創造の最大化と、経営資源の最適化を目指すための仕組みとも位置付けられている。IBMの事例を踏まえながら、「研究開発」、「サプライチェーン」、「経営管理」といった領域ごとに解説しているのも本書の特徴だ。

 やみくもにグローバル対応と現地化を進めてきた企業が多い中、本書ではグローバル対応を、特定の地域だけを指すのではなく地球全体での対応ととらえ直し、そのためにはこれまでと異なるアプローチとビジネス遂行のモデルが必要になると主張している。

 日本の製造業の中でも、本書に登場するようなグローバル化に向けた改革をしてきた企業では、ほかの企業と比べて好業績だったり、財務面での効率性を上げる取り組みが進んでいる。これからのグローバル競争に勝ち抜くためには、検討すべきテーマであるといえよう。


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