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グローバル競争の生き残りの鍵は“グローバル最適”にありITmedia エグゼクティブセミナーリポート(2/2 ページ)

日本企業が今後、海外進出を加速させるにあたっては、組織規模が巨大で、しかも業務の効率が極めて高いとされるグローバル企業との競争にさらされることになる。そこで生き残ることができるか否かの鍵となるのが“グローバル最適”だ。

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ボトムアップ型の変化を実現するアプローチ

 ただし、原氏によると日系企業はグローバル最適の実現の起点となる戦略策定や組織改革においてトップダウンで進める力が弱いのが実情なのだという。では、日本企業はどのような手法でグローバル最適を実現すればよいのか。その解として原氏が提示したのが、ボトムアップでITやプロセスなどの仕組みを変革し、結果として戦略や人、組織体制を変革する「日本型変革アプローチ」である。

 最初のステップでは、地域や事業ごとに個別に構築されたIT基盤を統合し、業務プロセスや情報の可視化を実現する。次のステップでは、業務プロセスごとに責任者を配置し、可視化された業務プロセスや情報を分析させることで業務の高度化を実現させる。このプロセスを通じ全社最適化の観点から業務の標準化が進み、シェアドサービスセンターといった機能集約型の組織が設立される。

 最後のステップでは、標準化されたプロセスをサービスとして整理し、個別システムの共通基盤化を図ることで、営業やマーケティング、商品企画といった事業や拠点レベルで競争優位を担保できる仕組みを整備する。この結果、企業のシステムを統合しSOA(サービス指向アーキテクチャ)も確立されるわけだ。

 「日本型変革アプローチを用いることで、企業はグローバル規模での組織や業務の集約に伴う効率化と統制強化を期待することができる。加えて、従来、共通基盤上に個々に整備されていたシステムをサービスとして配置することでシステムの柔軟性を飛躍的に高められ、M&A(企業の合併・買収)などに対しても迅速に対応することが可能になる」(原氏)

 世界規模でのさらなる競争の激化が見込まれる中で、グローバル最適を実現できたか否かが、企業の明暗を大きく分けることになりそうだ。

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