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【第4話】期待と戸惑いの始動内山悟志の「IT人材育成物語」(2/2 ページ)

ある日突然、急に勉強会に参加するよう呼び出された若手社員の宮下と奥山。これからどんなことをやっていくのかについて多くを語らない川口。3人だけの勉強会がいよいよ始まった。

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ブレインストーミング

ブレインストーミングというのは知っているよね」という川口の問い掛けに、宮下が「ええ、やったことはあります。みんなで知恵を出し合うやつですよね」と即答した。

「そう、簡単にいうとそういうことだ。集団で考えをまとめたり、何かを検討したりするときには、発散と収束という過程を経るのが一般的だ。発散というのは“洗い出し”で、収束というのは“取りまとめ”の意味だ。ブレインストーミングは最もポピュラーな発散の手法の1つで、いろいろなアイデアをとにかく出し合うために行うものなのだ。一応、ブレインストーミングには基本ルールがあるのだけど、知っているかな」

「ルールがあるのですか?」。今度は奥山が聞いた。「ルールというほど厳格なものではないけれど、念頭に置いておくべき基本スタンスとでもいうところかな」と説明しながら、川口はホワイトボードに6つの基本スタンスを走り書きした(図1)

<strong>図1</strong> ブレインストーミングの基本スタンス
図1 ブレインストーミングの基本スタンス

「それでは実際にやってみよう。ブレインストーミングをやるにあたり、まずはテーマ設定が必要だ。今日は『これからわれわれは何を検討するか』というテーマにしよう」と川口は呼び掛けた。

「えっ、それも自分たちで決めるのですか?」。生真面目な性格の宮下は、あまりにも場当たり的にみえる川口の提案に当惑した様子で反応したが、川口は意に介せずとばかりにホワイトボードをきれいに消して、一番上に「これからわれわれは何を検討するか」というテーマを書き出した。


著者プロフィール

内山悟志(うちやま さとし)

株式会社アイ・ティ・アール(ITR) 代表取締役/プリンシパル・アナリスト

大手外資系企業の情報システム部門、データクエスト・ジャパン株式会社のシニア・アナリストを経て、1994年、情報技術研究所(現ITR)を設立し代表取締役に就任。ガートナーグループ・ジャパン・リサーチ・センター代表を兼務する。現在は、IT戦略、IT投資、IT組織運営などの分野を専門とするアナリストとして活動。近著は「名前だけのITコンサルなんていらない」(翔泳社)、「日本版SOX法 IT統制実践法」(SRC)、そのほか寄稿記事、講演など多数。



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