「オランダはものづくり国家だ。空以外はすべてデザインしている」。こう話すのは来日中のオランダのロナルド・プラステルク教育文化科学大臣。10月26日に行われた慶應義塾大学とオランダのデルフト工科大学、アイントホーフェン大学との連携協定調印式で講演した。
「ダッチデザイン」という言葉があるように、オランダがデザイン分野に力を入れているのはよく知られる。古くはゴッホやレンブラントといった歴史的な芸術家を輩出し、現在では工業デザインや空間デザインなどで世界を席捲している。プラステルク氏は「風車から森林などの自然、(埋め立て地の多い)大地に至るまで、オランダという国はほとんど人間の手でつくられている」と強調する。
同じものづくり大国としてプラステルク氏は日本の技術力を高く評価する。今年は徳川幕府がオランダに御朱印状を発行し両国の貿易関係が始まってから400年という節目の年だが、当時つくられた建造物が変わらぬ姿で今なお現存することに感動したという。
数日前には任天堂を訪問し、開発者やデザイナーと意見交換する機会を持った。「オランダの子どもたちは日本のコンピュータゲームで遊び大いに楽しんでいる。任天堂をはじめ、今までなかった世界をつくり出している日本とオランダが連携することで、さらに新たな機会が創出できるはずだ」とプラステルク氏は意気込んだ。
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