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JUASが企業変革を担うCIO候補を育成富士山のふもとで特訓(2/3 ページ)

JUASの「イノベーション経営カレッジ」は、変革をリードする人材として情報システム部門の幹部社員を育成するのが狙いだ。9日間にわたる合宿研修のハイライトを取材した。

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 こうしたチャレンジに対して、各企業はどのような施策に生き残りを賭けようとしているのか。発表の内容をやはり3つにまとめると次のようになる。

 「生産性向上によるコストの削減」「海外およびM&Aによる成長分野への参入」、そして「量から質への転換」だ。

 日本の企業は生産性向上によるコストの削減を営々と続けてきたが、このさらなる強化が企業に求められている。そして、コストの削減によって少しでも余力が確保できたら、それを生かして海外展開やM&Aによって成長分野に参入していくという戦略を幾つかの企業が掲げていた。

 例えば、ある化学メーカーでは、国内の工場を需要の旺盛な海外に移転させるとともに、その一方で医薬品メーカーを傘下に収め、収益力を高めている。

 地球環境保全の要請は、コスト削減と成長だけではない、新たな戦略、つまり事業の量から質への転換を企業に促そうとしている。例えば、製造の過程で大量の二酸化炭素を排出する製鉄業界は新たな製造方法に取り組み始めたし、エネルギー業界も右肩上がりでの消費量増加はもはや見込めなくなっている。地球環境に優しい代替エネルギーを模索するとともに、培った技術やノウハウを武器に目を海外市場に向け始めた。

高まる経営からの期待

 こうした企業の生き残り戦略に沿って、情報システム部門はどんな役割を期待されているのだろうか。どの部門にも求められる「コスト削減」を除けば、経営からの期待はやはり次の3つに集約された。「業務プロセス改善のエンジン」「迅速な事業展開と合併シナジーの創出」、そして「ITによる新たなビジネスモデルの創造」だ。

 今やビジネスはITなしでは行えなくなっている。業務プロセスそのものがITによって回っているからだ。また、情報システム部門は、業務を全社的に俯瞰する立場にもあり、業務プロセスを改善する役割が期待されているわけだ。情報システム部門は、事業を運営するうえでの生産性を高め、結果として企業全体のコスト削減に大きく貢献し得る立場にある。

 2つ目の期待には、「迅速な成長分野への参入」という攻めの側面と、業界再編/グループ内再編という市場の収縮に伴う措置という2つ側面がある。どちらの側面かは別として、受講者の実に過半数がこうしたシステムの柔軟な横展開や迅速なシステム統合を期待されているとした。システム統合というと、メガバンクの大規模プロジェクトを思い浮かべてしまうが、実は日本中のさまざまな業界やグループ企業の中で再編が起こっているのだ。

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