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50代社員の活用・活性化の実践的取り組みの視点と提言50代ミドルを輝かせるキャリア開発支援(4/4 ページ)

企業として取組むキャリア開発計画の視点や現場の推進力となる支援人材の必要性について考えてみたい。

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50代社員の活用・活性化のための提言=本気で取組め、全社連鎖プロジェクトでベテラン活用風土作りを

 以上、50代社員のキャリアサポートの補足的視点を述べてきたが、本稿の最後に50代社員の活用・活性化に向けいくつかの提言をし、読者の皆様の参考に供したい。

50代人材の活用・活性化のための提言

 (1)人件費のコストパフォーマンスアップ:50代社員のコストパフォーマンスを上げる活動に本気で取組む。トップメッセージとその活用指標を示す。

 (2)全社的活用プロジェクト実施:組織的な50代社員活用・活性化連鎖プロジェクト(トップ→人事→事業部門→個人)を実行し、人事の施策、部門管理者の50代活用意識、個人の就業意欲を結びつけ、ベテラン社員の活用風土を作る。

 (3)期待と評価はキチンと実行:役職定年を迎え、セカンドキャリアになっても、人事考課・MBOなどの個人への発揮期待とその評価はキチンと行ない、やった人とやらなかった人の評価にメリハリをつける。

 (4)チャンスを生む仕事に就ける:50代社員を楽な仕事に就けるのではなく、できることで「チャンスを生む仕事」に就け、頑張らせる。

 (5)貢献目標には経験承継も:貢献目標は仕事成果による直接貢献に加えて、部下育成、技能承継活動、業務アドバイザリーなどの「プラス1」を設定する

 (6)人材発掘を継続する:人材活用はフレキシブルに。できる人材は再任用、人材活用会議で人材発掘を行う。

 (7)個人別支援を継続する:キャリア自律と70歳現役で働くためのキャリア支援策(研修、面談、実務能力習得、組織適応支援)を、共通的にやるものと個人別にやるものに分けて行う。

 6回にわたり、50代社員の課題と活用・活性化の取組みについて考えてきた。紙幅の関係で、活用・活性化の具体的事例を取り上げることができなかったことが、心残りだが、自社の50代社員の活用について、今一度思いをめぐらしていただきたい。どんな状況にあっても人は、人の期待があればヤル気を起こし、成長を止めることはない。若い人も50代も同じなのである。拙稿を毎回読んでいただいた読者の皆様に感謝を申し上げる。            

著者プロフィール:片山 繁載(かたやましげとし)

1953年生まれ。大学卒業後、日本マンパワーに入社。教育事業部長、人材開発営業本部長を経て、その後再就職支援事業部門を立上げキャリアカウンセラー&人事・キャリアコンサルタントとして事業に従事。1997年以降、キャリア支援コンサルタント、キャリア・デザイン・プログラムの開発・インストラクター、キャリアカウンセリングなどを経験。現在教育研修&人材事業担当取締役。CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)、メンタルヘルスマスター。


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