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【最終回】ファシリテーター型リーダーの「巻き込み力」〜その7エグゼクティブのための人財育成塾(3/3 ページ)

ビジネスの目的を達成するためには、社内だけでなく社外の関係者も含めていかに「巻き込む」ことができるかが事の成否を左右する。ファシリテーター型リーダーは2の矢3の矢の打ち手を用意して、プロジェクトに臨む必要がある。

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アクションプランの作成

 巻き込みプランの概要が策定できれば、次に巻き込みの優先度を見極めた上で、具体的なアクションプランを策定する必要がある。誰を、いつ、誰が、どうやって巻き込むのか。特に、現在の関係性が見えない、あるいはネガティブな場合は周到な計画を立てる必要がある。例えば、学習塾A社の教務部とその先にいる講師陣の巻き込み。伊藤室長が教務部と良好で強固な関係を持っていれば良いのだが、そうでない場合もある。その際には、どのようなアクションが考えられるだろうか?例えば、野原社長に動いてもらうことも考えられる。

 その際には、自分が伊藤室長経由でお願いするのが良いのか、高杉社長にお願いして動いて頂く方が効果的か。あるいは、峰岸編集長に動いてもらい、著名な著者や学者なども連れて、協力を依頼する場を相手にとってもメリットのある情報を提供する場にするのが良いか。ITソリューションプロバイダーの巻き込みに関しても、いろいろな手がある。もちろん、中野室長が適切な会社の適切な部署と関係があれば問題ないのだが、そうでない場合は学習塾A社の情報システム担当者を巻き込んだ方が良いかもしれない。(但し、その場合にはそもそも学習塾A社の情報システム担当者をどう巻き込むかを考える必要があるが。)

 あるいは、自分の大学時代の仲間や社内の誰かが適切な会社に関する情報を持っている、既に良好な関係がある場合もある。他者、特に外部の巻き込みの場合は、一筋縄ではいかない場合も多々ある。常に、2の矢3の矢を用意し、上手く行かなかった時に次の手が打てるように用意しておく必要がある。以下、アクションプランを立てる際に利用する「巻き込みアクションシート」を参考までに掲載する。


巻き込みアクションシート

 6回に渡り、ファシリテーター型リーダーの「巻き込み力」と題して解説してきたが、本連載は今回をもって終了となる。豊かな生活社の島田編集長が電子書籍事業への参入プロジェクトを立ち上げるというケースを通して、「巻き込み力」に必要な要素を一通り解説したつもりである。読者の皆さまの実務に少しでも生かして頂ければ幸いである。最後に、今回の連載で解説してきたポイントをまとめておく。


巻き込み力

著者プロフィール

井上 浩二(いのうえ こうじ)

株式会社シンスターCEO。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)を経て、1994年にケーティーコンサルティング設立。アンダーセンコンサルティングでは、米国にてスーパーリージョナルバンクのグローバルプロジェクトに参画後、国内にてサービス/金融/通信/製造等幅広い業種で戦略立案/業務改善プロジェクトに参画。ケーティーコンサルティング設立後は、流通・小売、サービス、製造、通信、官公庁など様々な業界でコンサルティングに従事。コンサルタントとしての戦略立案、BPRなどの実務と平行し、某店頭公開会社の外部監査役、MBAスクール、企業研修での講師も務める。


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