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勝負服服装は政治だ

米国には「ドレスフォーサクセス」という言葉があります。おしゃれのためではなく、成功するために装う。そう、まさに服装は政治なのです。

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 ここぞ、という時の「勝負服」というものがあります。自分を最高に引き立ててくれて、その勝負の大きな味方になってくれる服のことです。

 以前、外資系有名証券会社で働いていた友人が話してくれました。その会社では勝負服を決めるセミナーがあって、その人の体型、顔型、強み、ターゲットなどに合わせて、一人ひとりの勝負服を決定するそうです。

 彼女の場合はオレンジのスーツでした。今までそんなものは着た事がなかったそうですが、プロが見て、とにかくこれがあなたを生かす最高のスーツ! と言われると、その服を着るだけで、シャキッと気合いが入ったそうです。

 今日はこの服で、契約を決める! 今日はこの服を着てるから、第一印象は完璧! クライアントに会う前にそう思うだけで、普段と違うパワーをもらったそうです。

 服には不思議な効果があります。逆に、あっ靴磨いてない。とか、しまった! 糸がほつれてる。など直前にこんな事に気付いてしまうと、大きく気持ちが後ろ向きになるのが分かります。見ている方も、なんで彼はこんなネクタイしてきちゃったのかなあ、など気になりだすと関係ないことに気を取られ、集中できません。

 勝負服を決めるポイントはいくつかあります。色、形、など似合うということはもちろんですが、一番大事なのは「場にふさわしいかどうか」ということです。

 例えば、何人の人を相手に、どんな場所で勝負をかけるのか。広いホールでプレゼンテーションをする時の服と、数人を相手にプレゼンテーションをする時ではもちろん服は変わってきます。大人数の注意を自分に向ける服で、狭い部屋に行ってしまうと見る方は威圧感を感じてしまうのです。

 ネクタイが発している色のメッセージもあります。今日は大きな決定を! という時に「揺れ動く感情」という心理効果のある紫のネクタイを締めてしまったら、せっかくの決意が台無しになります。

 バッチリ決めた勝負服がくれるものは「自信」です。根拠のあるものに裏付けられ、自分を前に押し出す勇気もくれます。まさにドレスフォーサクセスです。

 あなたはどの服で勝負をかけますか?

著者プロフィール

大里千春(Chiharu Ohsato)

イメージストラテジスト。エグゼクティブコーチ。

4歳からピアノを始める。そのまま音楽の道に進み、講師としてのべ2000人以上の生徒への教育の実績を積む。コーチングに出合い、音楽のキャリアに終止符を打ち独立。自らの体験から人生が大きく変わるきっかけとなった、コーチングとイメージストラテジングをその職業に選ぶ。ニューヨークにてイメージ関係のスキルを幅広く学び、ICF国際コーチ連盟ACC認定コーチ、AICI国際イメージコンサルタント協会認定イメージコンサルタントの資格を取得。

主にエグゼクティブを対象にパーソナルコーチング、組織内の関係性をデザインするリレーションシップコーチング、またイメージ戦略コンサルティング、セミナーを行うことにより、ビジネスでの成功を導いている。人が自分自身の深い部分とつながり、誇りを取り戻し大きな力で限界を超えていく姿に、コーチ、イメージストラテジストとしてサポートができることに限りない喜びを感じている。著書「優れたリーダーが実践するイメージチェンジ成功法」日本経済新聞出版社。


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