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これからのパートナービジネスは「プラットフォーム」「エコシステム」がキーワード――早稲田大学ビジネススクール 根来教授(2/2 ページ)

従来のバリューチェーン内での提携、連携ではない、パートナー企業との連携で大きな成果を上げている企業が出始めている。

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インセンティブ作りと共存共栄

 エコシステムを作り出している新しいパートナー戦略の実例では、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)が有名だ。CCCはもともとビデオ・CDレンタルショップ「TSUTAYA」のビジネスで成功を収めたが、同社の第2の成長を支えたのが、T-POINTカードである。

 T-POINTカードの特徴は、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、喫茶店、そしてTSUTAYAなどでポイントが付与され、貯めたポイントをアライアンス先の約90社以上の企業で使えることだ。

 「業種の垣根を越えてポイント利用できるという強みは、独自のポイントカードを発行している大手流通業やクレジットカード会社にはない特徴だ。CCCはヤフーとも提携を発表している。モノを探すエンジンを持つヤフーと、買った時に利用するT-POINTカードの組み合わせは、より大きなエコシステムを形成していくことにつながる」と根来氏は指摘する。

 T-POINTカードというプラットフォームを利用することで、提携パートナーは自社で独自のポイントシステムのためのIT投資をする必要もなく、多額なカード還元の負担を軽減できる。CCCは、エコシステムを維持するために同業種に複数のアライアンス企業を持つことしない。根来氏はCCCというプラットフォームリーダーの高い戦略性が、同様の戦略を採ろうとしている企業にとって意味深い示唆を与えているとする。

 「共存共栄のためにCCCは新しい提携先を常に探し、より有効なアライアンス施策によって、エコシステムの成長を目指している。CCCは自社をサービス業ではなく「企画会社」として位置づけているだけあって、プラットフォーム作りにも一日の長がある。前出のパーク24グループもそうだが、他社を巻き込むためのインセンティブ作りが、パートナー企業とのコラボレーションには不可欠だ」と話し、根来氏は講演を締めくくった。


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