生き方そのものがエレガント：服装は政治だ

米国には「ドレスフォーサクセス」という言葉があります。おしゃれのためではなく、成功するために装う。そう、まさに服装は政治なのです。

[大里千春，ITmedia]

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　イメージ戦略を立てる時、縦軸にTPOや役職によるビジネスドレスコード、横軸にその人の個性であるリーダーシップスタイルを持ってきて、その両方の視点で考えます。

　リーダーシップイメージの一つがこの「エレガント」。洗練され、品があり、慌てたり焦ったりしない長期的思考が強みのリーダーシップスタイル。大変クオリティーが高い洗練されたデザインの服や靴、完璧なグルーミング、都会的でスマートな人たちです。エレガントの語源はラテン語のelire、 選ばれた者、精鋭という意味があります。

　エレガントという言葉で、思い出す話があります。ある時ファイナンシャルプランナーたちの集まりに参加したところ、一人とても上品な、まさにジェントルマンという感じの人がいました。穏やかで静かな声で話し、また話にユーモアがあり大変ステキです。もちろんファイナンシャルプランナーとして大成功しています。

　この人の成功の秘密はゴルフなのだそうです。ゴルフが好きで腕も相当なもの、それに加えて大変素晴らしいマナーでプレイを楽しんでいるのだとか。相手はとてもいい気持ちになり、また一緒にプレイしたいと感じ、そのうち、じゃあせっかく仕事を頼むのなら、この人にという気持ちになり、といった具合に顧客が増え大成功したそうです。

　素晴らしいマナーから見えてくる姿勢や考え方、パーソナリティが十分伝わって、相手の気持ちを動かすのでしょう。マナーも付け焼刃ではなく、本来のその人の品や育ち方から身に付けてきたことが感じられました。

　もちろん同時にクオリティの高いプロフェッショナルな仕事をするのだろう、ということも予想ができます。美しいマナーには人の心を動かす力があります。

　「美しさは女性の「武器」であり、装いは「知恵」であり、謙虚さは「エレガント」である。」（ココ・シャネル）

　エレガントは単にスタイルだけでなく、そのふるまいやパーソナリティ、教養に高いレベルが要求されます。またそれを前面にだすことは決してなく、あくまでも涼しい顔で、サラッとプロフェッショナルな仕事をやってのけるのです。生き方そのものがエレガント、わたし自身も目指すスタイルです。

著者プロフィール

大里千春（Chiharu Ohsato）

イメージストラテジスト。エグゼクティブコーチ。

4歳からピアノを始める。そのまま音楽の道に進み、講師としてのべ2000人以上の生徒への教育の実績を積む。コーチングに出合い、音楽のキャリアに終止符を打ち独立。自らの体験から人生が大きく変わるきっかけとなった、コーチングとイメージストラテジングをその職業に選ぶ。ニューヨークにてイメージ関係のスキルを幅広く学び、ICF国際コーチ連盟ACC認定コーチ、AICI国際イメージコンサルタント協会認定イメージコンサルタントの資格を取得。

主にエグゼクティブを対象にパーソナルコーチング、組織内の関係性をデザインするリレーションシップコーチング、またイメージ戦略コンサルティング、セミナーを行うことにより、ビジネスでの成功を導いている。人が自分自身の深い部分とつながり、誇りを取り戻し大きな力で限界を超えていく姿に、コーチ、イメージストラテジストとしてサポートができることに限りない喜びを感じている。著書「優れたリーダーが実践するイメージチェンジ成功法」日本経済新聞出版社。