60歳からの「これから」を楽しみに:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
人生100年時代、60歳を過ぎてあと20年か30年か何年生きるのか。残された日々を自分のやりたいように、自分らしく目いっぱい生きるには。
再就職先の周りに感謝される働き方とは、どういうものでしょうか。売上増加に貢献するのは最も歓迎されるでしょうが、それはフットワークの軽い、行動力あふれる若手に任せてもいいところです。
社長にモノ言えない組織であるならば、(クビになる)リスクは承知の上で偉い人にモノ言う人であるのはどうでしょう。それも「働きがい」の一つかと思います。もはや、第一の就職で多くの人が目指す出世競争から卒業したのだから、それ以外の「働きがい」があれば、本人も生き生き働けるし、周りからも感謝されます。
私のお勧めは、若手に貢献することです。まずは、若手のいいところを指摘してやる。「〜の専門性はすごく高いねー」「若いのに〜について優秀だね」と。そして、失敗して落ち込む若手がいれば、自分の失敗談を引き合いに出して、「そんなことは誰にでもある。失敗を糧とすればいい」と元気づけてやる。
反対に、調子こいている若手がいれば、いいところは認めた上で、「君の長い将来のために言うが」と前置きして、モノ申せばいいのです。若手を心底思ているのを分かってくれれば、人生の先輩(年齢が上)を尊敬してくれるでしょう。これこそ、「働きがい」があるというものです。
今さら〜しない(否定形)VS今から〜する(肯定形)
60歳から「開いていく人」と「萎んでいく人」の差は行動になって現れます。
「今さら〜しない(否定形)」と「今から〜する(肯定形)」です。
「今さら、パソコンの使い方を勉強しても……」
「今からスマホの使い方を学ぶ」
歳を取ると、これまでの経験から先のことを想像します。新しいことに挑戦するには、勇気が必要であったり、時には失敗を覚悟しなければならなかったり、面倒です。挑戦しない人は、スマホを使いこなせるようになれば、便利なのは頭では分かっているが、その手前の学ぶ面倒くささがイヤ。「成果」という喜びと「学ぶこと」の面倒くささをてんびんに掛けてしまいます。
動物の赤ちゃんも人間の赤ちゃんも、何も考えずに、自分で立ち上がろうとします。何度失敗しても、また立ち上がろうとします。立ち上がったら、ひっくり返るリスクがあるとは考えません。実年齢は別にして、心が若いといろんなことに挑戦し、心が歳をとっていると消極的になるのかもしれません。
親友が、ついこの間63歳の誕生日を迎えたので、Facebookでメッセージを送りました。「お誕生日おめでとうございます。誕生日とは歳を数えるのではなく、一年の志を立てる日だそうです」すると、こんな返事が来ました。「いい言葉をありがとうございます。還暦を超えて3年となります。だから私の心は3歳です」失敗を恐れず常に挑戦している人は、やはり心が若いのですね。
■ 章立て
1章:やりたいことだけする生き方
3章:「働く」を楽しむ
4章:今だからできる挑戦
5章:好かれるオッサンになる
6章:一生持てる学びと遊び
7章:「老い」とのつき合い方
8章:家族と社会に遺すもの
著者プロフィール:古川裕倫
世田谷ビジネス塾塾長。一般社団法人彩志義塾代表理事。株式会社多久案(たくあん)代表。情報技術開発株式会社(ジャスダック)社外取締役。ビジネスアドバイザー。ビジネス書作家。講師。
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