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自分に厳しいと、相手にも厳しい?ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

同じ成果を出すのに、苦労する方法と苦労しない方法があったらどちらを選びますか。

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 ですから、個人的な問題を解決するというのは、自分のネガティブな言動パターンを、根本的に変えていく作業であるともいえるのです。

 人間関係においては、常に「関係性」で動いています。例えばAさんが職場で不機嫌そうな表情をして、「これ、やってよ」と頼んだとしましょう。

 それを受けたBさんは、Aさんのその表情だけでネガティブな気分になるでしょう。その気分のままAさんに反応すれば、「はい、分かりました」と答えたときにも、Aさんの顔色をうかがったり、恐れたり、あるいは反発的な気持ちを抱くので、決してポジティブな答え方にはならないでしょう。

 Aさんが、Bさんのその反応をみて、「なんだ、こいつは」とさらに不機嫌になれば、その気分のままAさんに、「仕事なんだから、もっとやる気を出したらどうなんだッ」と厳しい言い方をするかもしれません。

 これが「関係性」ということです。

 この場合、もともとの発信源はAさんです。けれどもAさんは、自分が普段からこんな態度や物言いをしているということに気付きません。それがAさんの言動パターンになっているからです。

 これがAさん固有の言動パターンであれば、言うまでもなく家庭においても同じ態度、表情、物言いをしているでしょう。仮にAさんが、職場でそんな自分を我慢して抑えていれば、その分のいら立ちを家庭に持ち帰るので、家庭はいっそうネガティブな展開となるでしょう。パターンで言えば、Aさんの家族間で起こっていることは、職場の社員間で起こっていることと同じです。

 ですから、家庭で起こっている個人的な問題を解決する過程で身に付けていったスキルを、職場でもそのまま適応させるので、職場での人間関係においてもポジティブに変化します。もちろん、仕事に対する判断や選択の仕方も変化します。

 その結果、家庭間での関係が良くなっていくにつれて、倒産しそうだった会社が好転したり、業績が伸びたりするというのは当たり前のことで、「なぜか偶然にそうなった」というわけでは、決してないのです。

 こんなふうに、ほんの少し自分に厳しくするのをやめるだけでも、ポジティブな変化が期待できるのです。

著者プロフィール:石原加受子

「自分中心心理学」を提唱する心理相談研究所オールイズワン代表。「自分を愛し、自分を解放し、もっと楽に生きる」ことを目指す、自分中心心理学を提唱。性格改善、対人関係、親子関係などのセミナー、グループ・ワーク、カウンセリングを30年続け、多くの悩める老若男女にアドバイスを行っている。 現在、無料メルマガ『楽に生きる! 石原加受子の「自分中心」心理学』を好評配信中。


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