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第3回 自分に合った学びテーマを見つける6つの方法人生100年時代を切り拓く! ミドルのための「学び」戦略(2/2 ページ)

ここで取り組んでほしいのは、学びの対象とする「気になる仕事」の目星を付けること。肩に力を入れ過ぎず、夢を膨らませるイメージでリラックスして考えてみよう。

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【方法(4)】日常生活・友人知人との交流で気になったことを掘り起こす

 普段の生活のなかにも、ビジネスや社会的活動につながるいろいろな気付きがあるものです。例えば、仕事と子育てに奔走する妻の姿を見ていて、何か働くママをサポートする新しいサービスはないものかと考えたり、地元のシャッター商店街を見て、この店舗を何か有効利用できないかと考えたりといったことです。

 日常で感じた不便を解消するために、新しいサービスや商品を考えるといったこともありでしょう。

 また、友人や知人との交流を通してヒントが得られることもあります。みんなが何に困っているかということを探っていくと、そこにビジネスの種があったりするものです。

大切なのは、今まで何げなくやりすごしていたことを、立ち止まって深く掘り下げて考えること。そこに自分の経験値や専門性をどう絡められるか、知恵を絞ってみましょう。

【方法(5)】気になっている社会問題について掘り下げて考える

 新聞やニュースで目にする社会問題に対して、その解決になんとか貢献できないだろうかという方向で、第二の職業人生での自分の役割を考えることもできます。

 国連が掲げるSDGsが大きく注目されているように、今の社会は、環境、貧困、人権、食糧、教育など多岐にわたる分野で問題があふれています。これらの問題のうち、特に自分に関心があるものについて、自分の積み重ねてきた経験値や専門性を活かして貢献する方法を考えてみるのです。

 自然災害が頻発する現代。現地でのボランティア活動に挑戦された人もいるでしょう。ボランティアにも無償のものも有償のものもあります。

困っている人を助けたい、目の前の問題を解決することにワクワク感を覚えるという人なら、そんなアプローチもありだと思います。

 コンサルタントのようなかたちでの貢献の仕方もあるでしょうし、問題解決に直結するビジネスを起こす道もあるでしょう。収入にこだわらなければ、NPO設立などの道もあります。働きがいの観点から魅力を感じる仕事が見つかれば、それがあなたの目指すべき仕事なのかもしれません。

【方法(6)】ロールモデルとなる人物を参考にする

 人から入る方法もあります。身近な人でも、メディアで紹介されるような有名人でも、あるいは歴史上の人物でも構いません。その生き様や行動、発言に共感し、強い影響を受けた人物がいるなら、その人が取り組んでいる仕事について詳しく調べてみるのです。

 例えばですが、テレビで見た織物職人の「仕事にかける思い」に心を動かされたら、織物職人という仕事について調べてみるということですね。

あるいは、(5)とも関連しますが、ソーシャルビジネスを手掛ける経営者の熱い言葉を聞いて、「自分もこの人のように生きてみたい」と感じることもあるでしょう。その場合も、感動して終わりではなく、その人が取り組んでいるテーマやビジネスについて掘り下げて調べてみるのです。

 短絡的にそれをすぐ仕事にするということにこだわりすぎなくて大丈夫。掘り下げていく中で、やりたい仕事を探すためのヒントや入口にはなるでしょう。この場合も自分の経験値や専門性を活かす道はないかという方向で考えると、現実味は増すはずです。

 以上の6つの方法によって「気になる仕事」の目星をつけることで、学ぶべきジャンルがおおまかに見えてきます。まずは、この中から、自分が関心を持ったものへの学びにチャレンジしてみましょう。必ずしも、初めから1つだけに絞る必要はありません。いくつかの学びを並行して、または順番に試し、それぞれの面白さや相性を比較しながら絞り込んでいく方法もあります。

 ぜひ、第二の職業人生を費やすのにふさわしい天職に出会うための「学び」への第一歩を、踏み出してみませんか。

※本稿は前川孝雄著『50歳からの人生が変わる 痛快!「学び」戦略』(PHP研究所、2021年11月)より一部抜粋・編集したものです。いかにして一生もののワクワクする本当の学びに出会うか。――そのヒントを得たい方は、ぜひ同書をご参照ください。


著者プロフィール:前川孝雄(FeelWorks代表取締役/青山学院大学兼任講師)

人材育成の専門家集団FeelWorksグループ創業者であり、人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。兵庫県明石市生まれ。大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒業。リクルートで「リクナビ」「ケイコとマナブ」「就職ジャーナル」などの編集長を経て2008年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志に起業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、400社以上を支援している。独自開発した「上司力研修」「50代からの働き方研修」、eラーニング「パワハラ予防講座」「新入社員のはたらく心得」などを提供。多様な働く人たちの本音に通じ、四半世紀にわたる現場研究に基づいた研修プログラムで、現場を預かるリーダー達から圧倒的支持を集めている。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年に働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人企業研究会 研究協力委員サポーター、一般社団法人ウーマンエンパワー協会理事なども兼職。連載やコメンテーター、講演活動も多数。著書は『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『上司の9割は部下の成長に無関心』(PHP研究所)、『年上の部下とうまくつきあう9つのルール』(ダイヤモンド社)、『もう、転職はさせない!一生働きたい職場のつくり方』(実業之日本社)、『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)、『本物の「上司力」』(大和出版)、『50歳からの幸せな独立戦略』(PHP研究所)、『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks)など多数。最新刊は『50歳からの人生が変わる 痛快!「学び」戦略』(PHP研究所、2021年11月


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