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うまくいかなくて、ちょうどいいビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

「やめたい」と思ったら、感謝することを、思い出そう。

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 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。


「やめたい」と思ったら、感謝することを、思い出そう。


『うまくいかなくて、ちょうどいい。』(Amazon)

 「やめたい」と思うことがあります。

 部下にもあります。

 上司にも、あります。

 そう思った時が、チャンスです。

 「やめたい」と思ったら、やめてもいい。

 「やめてはいけない」と思っているから、しんどくなります。

 「やめることができない」と思っているからしんどくなります。

 その前に、感謝することを、思い出してみましょう。

 感謝することを思い出した後で、やめるかどうか、もう一度考えてみる。

 それからでも、遅くはありません。

 「やめたい」と思っていいのです。

 「やめたい」と思う時は、忘れていた感謝を思い出すチャンスでもあります。

あの人は、悪意があるのではない。知らないだけだ。

 むっとする部下がいます。

 むっとする上司がいます。

 むっとするお客さんがいます。

 むっとするサービスマンがいます。

 むっとするのは、理由があります。

 相手の言動に、悪意を感じるからです。

 あなたに嫌なことをする人は、悪意があるのではありません。

 悪意があると思うと、むっとします。

 嫌なことをするのは、ただ、ちょっと無知なだけです。

 わざとではなく、知らないだけなのです。

 無知だと考えると、イラッとせずにすみます。

イラッとすると、疲れる。笑うと、疲れが取れる。

 イラッとすると、疲れます。

 疲れると、ますます、良いアイデアが出なくなります。

 いいアイデアが出ないと、考え方が後ろ向きになります。

 「なんで、こうなんだ」と、ますますイライラします。

 イラッとするのが、一番エネルギーをムダに消耗します。

 エネルギーのムダ遣いは、二重遭難です。

 イラッとしなくてもいいのです。

 エネルギーの回復方法は、笑うことです。

 笑うことで、エネルギーを取り返すことができます。

 同じ状況で、イラッとすることも、笑うこともできます。

 コントのシチュエーションは、イラッとする状況です。

 「これは、コントのネタだな」

 と考えることで、笑い飛ばすことができます。

こちらには、事情がある。相手にも、事情がある。

 「こっちにも、事情があるんだ」と、つい怒鳴りたくなります。

 きっとそれは、相手も思っています。

 事情は、すべての人にあります。

 おたがい事情があると気づ付けば、チャラになります。

 こっちにだけ事情があって、相手にはないと考えると、しんどくなります。

 こっちは、精一杯です。

 相手も、精一杯です。

 お互い精一杯です。

 「こっちには、事情があるんだ」と怒鳴るかわりに、

 「そっちにも、事情があるんだ」と怒鳴ってみましょう。

 必死なのは、自分だけではありません。

 相手は、いい加減なのではありません。

 相手も、必死なのです。

他人に感じるストレスは、自分に対するストレスだ。あの人の前に、自分を許そう。

 反りがあわない人がいます。

 性格が正反対なのではありません。

 正反対な人には、ストレスをそもそも感じません。

 自分と似ている人に、ストレスを感じます。

 「あの人のココが嫌い」という時、それは「自分に似ている部分」です。

 自分を許せないので、あの人を許せないのです。

 もっとも自分を疲れさせているのは、あの人ではありません。

 自分を許せない自分自身なのです。

 相手を許す前に、自分を許してあげることです。

 許すとは、「それはそれで、かわいい」と感じることです。

ガッカリするのは、期待が大きすぎたから。期待しすぎないと、ガッカリしない。

 ほぼ99%まとまりかけた話が、ポシャることがあります。

 その時のショックは大きいです。

 「それなら最初から、断られたほうが、良かった」と感じてしまいます。

 本塁でタッチアウトになるのが、一番痛いです。

 「まだ、三振の方が、良かった」と感じます。

 がっかりするのは、期待していたからです。

 期待がなければ、がっかりもしません。

 期待するのは、いい。

 期待しすぎないことです。

 期待しすぎたのは、自分の側の勝手です。

 期待が大きいと、ガッカリも大きくなります。

 ワクワクしながら、同時に期待を持ちすぎないことも可能です。

 話がまとまりそうな時ほど、期待せずに、楽しみに待ちましょう。

著者プロフィール:中谷彰宏・作家

1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂勤務を経て、独立。91年、株式会社中谷彰宏事務所を設立。

【中谷塾】を主宰。セミナー、ワークショップ、オンライン講座を行う。【中谷塾】の講師は、中谷彰宏本人。参加者に直接、語りかけ質問し、気づきを促す、全員参加の体験型講義。

著作は『うまくいかなくて、ちょうどいい。』(あさ出版)など、1100冊を超す。


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