この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
「やめたい」と思ったら、感謝することを、思い出そう。
「やめたい」と思うことがあります。
部下にもあります。
上司にも、あります。
そう思った時が、チャンスです。
「やめたい」と思ったら、やめてもいい。
「やめてはいけない」と思っているから、しんどくなります。
「やめることができない」と思っているからしんどくなります。
その前に、感謝することを、思い出してみましょう。
感謝することを思い出した後で、やめるかどうか、もう一度考えてみる。
それからでも、遅くはありません。
「やめたい」と思っていいのです。
「やめたい」と思う時は、忘れていた感謝を思い出すチャンスでもあります。
あの人は、悪意があるのではない。知らないだけだ。
むっとする部下がいます。
むっとする上司がいます。
むっとするお客さんがいます。
むっとするサービスマンがいます。
むっとするのは、理由があります。
相手の言動に、悪意を感じるからです。
あなたに嫌なことをする人は、悪意があるのではありません。
悪意があると思うと、むっとします。
嫌なことをするのは、ただ、ちょっと無知なだけです。
わざとではなく、知らないだけなのです。
無知だと考えると、イラッとせずにすみます。
イラッとすると、疲れる。笑うと、疲れが取れる。
イラッとすると、疲れます。
疲れると、ますます、良いアイデアが出なくなります。
いいアイデアが出ないと、考え方が後ろ向きになります。
「なんで、こうなんだ」と、ますますイライラします。
イラッとするのが、一番エネルギーをムダに消耗します。
エネルギーのムダ遣いは、二重遭難です。
イラッとしなくてもいいのです。
エネルギーの回復方法は、笑うことです。
笑うことで、エネルギーを取り返すことができます。
同じ状況で、イラッとすることも、笑うこともできます。
コントのシチュエーションは、イラッとする状況です。
「これは、コントのネタだな」
と考えることで、笑い飛ばすことができます。
こちらには、事情がある。相手にも、事情がある。
「こっちにも、事情があるんだ」と、つい怒鳴りたくなります。
きっとそれは、相手も思っています。
事情は、すべての人にあります。
おたがい事情があると気づ付けば、チャラになります。
こっちにだけ事情があって、相手にはないと考えると、しんどくなります。
こっちは、精一杯です。
相手も、精一杯です。
お互い精一杯です。
「こっちには、事情があるんだ」と怒鳴るかわりに、
「そっちにも、事情があるんだ」と怒鳴ってみましょう。
必死なのは、自分だけではありません。
相手は、いい加減なのではありません。
相手も、必死なのです。
他人に感じるストレスは、自分に対するストレスだ。あの人の前に、自分を許そう。
反りがあわない人がいます。
性格が正反対なのではありません。
正反対な人には、ストレスをそもそも感じません。
自分と似ている人に、ストレスを感じます。
「あの人のココが嫌い」という時、それは「自分に似ている部分」です。
自分を許せないので、あの人を許せないのです。
もっとも自分を疲れさせているのは、あの人ではありません。
自分を許せない自分自身なのです。
相手を許す前に、自分を許してあげることです。
許すとは、「それはそれで、かわいい」と感じることです。
ガッカリするのは、期待が大きすぎたから。期待しすぎないと、ガッカリしない。
ほぼ99%まとまりかけた話が、ポシャることがあります。
その時のショックは大きいです。
「それなら最初から、断られたほうが、良かった」と感じてしまいます。
本塁でタッチアウトになるのが、一番痛いです。
「まだ、三振の方が、良かった」と感じます。
がっかりするのは、期待していたからです。
期待がなければ、がっかりもしません。
期待するのは、いい。
期待しすぎないことです。
期待しすぎたのは、自分の側の勝手です。
期待が大きいと、ガッカリも大きくなります。
ワクワクしながら、同時に期待を持ちすぎないことも可能です。
話がまとまりそうな時ほど、期待せずに、楽しみに待ちましょう。
著者プロフィール:中谷彰宏・作家
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂勤務を経て、独立。91年、株式会社中谷彰宏事務所を設立。
【中谷塾】を主宰。セミナー、ワークショップ、オンライン講座を行う。【中谷塾】の講師は、中谷彰宏本人。参加者に直接、語りかけ質問し、気づきを促す、全員参加の体験型講義。
著作は『うまくいかなくて、ちょうどいい。』(あさ出版)など、1100冊を超す。
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