特急「くろしお」増便の効果は? 実験半年で1日平均29人増「目標達成へ勝負の夏」
JR西日本は、近畿最大の赤字区間(新宮-白浜間)があるJR紀勢線で、増便に関する実証実験を行っている特急「くろしお」の利用状況を発表した。増便を実施した昨年11月~今年4月までの半年間で、同区間における1日当たりの平均乗客数は、前年同期と比べ29人の増加にとどまった。JR西は来年2月まで実証実験を続けるが、紀南地域の観光最盛期7、8月を「勝負の夏」(同社和歌山支社)とし、利用者増加に向けて取り組む。
実証実験は令和7年11月から9年2月末まで、平日の月~木曜に利便性の高い時間帯に1往復を増便し、金~日曜、祝日と同じ6往復とし、観光客の利用促進につながるかを検証している。JR西は利用者を5年度の上下線1日当たり利用者計410人から、8年度に1040人に引き上げる目標を掲げている。
JR西によると、実験開始時の7年11月は1日当たりの平均乗客数が、前年同期比60人増の524人。8年3月は同68人増の565人だったが、7年12月は同4人増の431人、8年1月は同3人増の345人、同2月は14人増の415人にとどまった。月ごとにみた1日当たりの平均乗客数は345~568人で、目標の1040人には到達していない。実験開始1年となる今年11月をめどに改めて検証を行うとしている。
同社和歌山支社の富沢五月支社長は「危機的な状況。利用が少ないということは、選ばれていないというのが現実」と危機感をあらわにした。そのうえで「南紀のエリアは夏が一番観光客が多いシーズンで、大きなカギになる。目標達成への勝負の夏になる」と力を込めた。
JR西は特急「くろしお」のオーシャンアロー車両のデビュー30周年のイベント開催、新宮-白浜間の「紀南くろしお乗り放題特急券」(利用期間1カ月)の販売などで、乗客獲得を目指す。
JR西が7年10月に公表した1キロ当たり1日平均乗客数(輸送密度)2000人未満の路線・区間は19路線32区間で、新宮-白浜間は輸送密度が960人。100円の収入を得るために650円の費用が必要で、31億2000万円の赤字という。
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