中国・四川省を突如襲った大地震。被災都市の成都や重慶には、オフショア開発などの拠点として日本をはじめ数多くの海外企業が進出している。IT・ハイテク企業を中心に各社の被害状況を聞いた。
中国中西部の四川省で5月12日、マグニチュード(M)7.8の大規模な地震が発生した。中国国営の新華社通信によると、13日午前7時(現地時間)までに1万人近くの死者が確認された。
四川省の中心都市である成都は、国家レベルのハイテクゾーン「成都高新技術産業開発区」の強化と整備を進めており、近年日本など外資企業を積極的に誘致している。IT関連企業が多く集まる「天府ソフトウェアパーク」には、NECやSAPなどの海外企業や、中国国内の著名なハイテク企業が名を連ねる。
同パークでソフトウェア開発事業を展開するNECソリューションズ中国では、33人の中国人(日本人はなし)が勤務。「全員無事で、職場の建物にもさほど被害はない」(NEC広報)としている。
成都高新技術産業開発区とソフトウェアやサービスのアウトソーシング戦略協定を結ぶIBMは、同地区にグローバルサービスセンターを構える。「現時点で社員に被害が出たとの報告は受けていない」(日本IBM広報)という。
企業名 | 地震による被害状況 | 事業拠点 |
---|---|---|
東芝 | 生産拠点はないためフローに影響なし。人的被害もない | 成都 |
NEC | 全33名の従業員と施設は無事 | 成都 |
富士通 | 工場はないためサプライチェーンに影響なし。関連会社の人的被害もない | 成都 |
マイクロソフト | 現時点で情報は入っていない | 成都 |
IBM | 現時点で社員の被害情報はない | 成都 |
オラクル | 現時点で被害はない | 成都 |
SAP | 全40名の従業員は無事 | 成都 |
HP | 従業員ならびにオフィスへの重大な被害はない | 重慶 |
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明治学院大学 経済学部准教授