連載
» 2021年05月13日 07時02分 公開

「グローイング・サイクル」を回すことで組織の全員が戦力になるビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

かつて日本マクドナルドの「ハンバーガー大学」で学長を務め、「ユニクロ大学」でも実績を残した有本均氏。現在はホスピタリティ&グローイング・ジャパン会長として、多くの企業の人財育成をサポートする。目指すのは「全員を戦力にする」こと。そのための方法について、一端を紹介してもらおう。

[有本均, 文:間杉俊彦,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


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「仕組み」にすることで育成の再現性が確保できる

『全員を戦力にする人財育成術』

 「全員を戦力にする人財育成術」(ダイヤモンド社刊)を出版して1年たちました。この間、新型コロナウイルスによって3度もの緊急事態宣言が発令されるなど、世の中は思いがけない状況になりました。

 私が長年にわたりキャリアを積み、今も人財育成で携わっている外食業界などのサービス産業は、かつてない苦境に直面しています。ただ、このような局面にあっても、これからの復活に向けて人財の力を強化しようという企業は少なくありません。言うまでもなく、サービス業にとって競争力の源泉は「人」だからです。

 そんな企業の皆さんに、ぜひ本書を役立ててほしいと考えています。

 2013年に初めての著作である「どんな人でも一流に育つしくみ」(商業界刊)を出版しました。それから7年がたち、より成長を促す仕組みづくりの重要性を発信したいと感じるようになりました。

 私は、日本マクドナルドの学生アルバイトから社員となり、店長・スーパーバイザー・統括マネジャーを歴任後、マクドナルドの社内教育機関である「ハンバーガー大学」で学長になりました。そして、ファーストリテイリングの柳井正社長に招かれて「ユニクロ大学」の部長も務めました。

 その後、ホスピタリティ&グローイング・ジャパンを設立し、研修ビジネスを手掛けながら、「全員を育てる」ための方法論を体系化したいと考えるようになりました。

 現場での指導やアドバイスは、言うまでもなく大事です。ただ、それがやりっぱなしでは、なかなか仕事の技術は定着しませんし、成長にはつながりにくいでしょう。そこで重要なのが「仕組み化」です。仕組みにすることで再現性が確保できますし、教える人が変わっても同じ質の指導ができます。

 そこで、改めて自分の経験を振り返り、ハンバーガ大学とユニクロ大学が育成について何をやっているのかを洗い出してみました。私自身がやってきたことも合わせて書き出してみると、膨大な項目になりました。それを眺めていると、4つのカテゴリーに分かれることが分かりました。それが本書でも解説している「グローイング・サイクル」の4項目です。

マクドナルドとユニクロは「要求する」ことを徹底している

「グローイング・サイクル」とは「1:基準を示す」「2:教える」「3:要求する」「4:評価する」という4つを絶えず回すことで人は成長するという考えであり、育成の手法です。

グローイング・サイクル

 多くのサービス企業ではマニュアルを整備することで各業務の基準とし、OJTとOFFJTを組み合わせた教育もしているはず。ただ、それで止まっている企業も少なくありません。そして、基準を示して教える、というだけでは教育効果は限定的なのです。

 重要なのは「3:要求する」「4:評価する」の2つ。

 要求するというのは、現場において上司や先輩が、教えたことを実行に移すことを求め、やらない/できないことを見過ごさない、ということです。言い換えると「後追い」をしっかりすることです。

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