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【第3回】消費の次世代マーケット、ポスト団塊ジュニアとはブランドの達人が語る(2/2 ページ)

日本の消費社会を支える次世代のニューフェイスが「ポスト団塊ジュニア」だ。学生時代からインターネットに触れ、ポケベルや携帯電話を使って仲間とのコミュニケーションを図っていたのがこの世代である。彼らを知ることが勝ち組企業への近道になる?

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自分らしさ=他には無い選択

 お店選びだけではなく、銀行選びにもその嗜好性は表れている。自身で取引画面を選択できるソニー銀行(1.45倍)や32種類のカードからキャッシュカードを選ぶことができる新生銀行(1.31倍)がそれだ。

 キャラクター選びに至っては、プロ野球・中日ドラゴンズのマスコットでありながら「ドアラのひみつ」という本まで出版した局地的人気のドアラ(2.66倍)や、番組内でアクロバティックな動きを披露するガチャピン(2.30倍)など、本来のキャラクターが持っていたかわいさと、その動きとのギャップに人気が集まっている。ちなみに、中日ドラゴンズ(0.93倍)が特に好きなわけではない。

IT全盛のナナロク世代

 1976年前後に生まれた世代が多くナナロク世代とも称されるこの世代は、ミクシィ社長の笠原健治、2ちゃんねるの西村博之、チームラボの猪子寿之など、ナナロク世代にはIT業界で活躍する人が多くいる。ポスト団塊ジュニアは彼らが提供するインターネットサービスとの親和性が高いことが分かった。

 2ちゃんねる(1.55倍)、ミクシィ(1.65倍)などの利用はもちろん高く、@コスメ(1.79倍)、アメーバブログ(2.08倍)、はてな(2.25倍)など、代表的なWebサイトの利用も幅広い。

 また、野球人気からサッカー人気へ移行が行われているのもこの世代からだろう。サッカー日本代表(1.26倍)や、FCバルセロナ(1.74倍)、ACミラン(1.47倍)などのサッカーチームを好きなスポーツチームとして挙がる一方、読売ジャイアンツ(0.64倍)の人気は低い。ここから、一人でコンテンツを楽しむというよりは、仲間や家族と楽しみを共有するという価値観が見られる。

 「自分らしさ」「IT」「仲間との共有」がこの世代の特徴だ。自分らしさを求めながら、コミュニケーションツールを活用し、仲間との共有を大切にする。

これからのマーケティング

 消費のニーズが多様化したと言われて久しいが、団塊ジュニア世代と比較してもポスト団塊ジュニアの嗜好性は多様だ。そして、インターネットというパーソナルメディアを学生時代から享受したこの世代は仲間と共有する情報の伝達も早い。

 企業はこれまで以上に、多品種少量生産を機軸に、多様なメディアを通して生活者と接していかなければいけない時代を迎えている。

プロフィール

坂井光(さかい ひかり)

ブランドデータバンク株式会社代表取締役

1973年1月30日生まれ。東京都出身。株式会社西武百貨店を経て、1997年株式会社ウォータースタジオ取締役に就任。2005年4月より現職。株式会社ネットマイル、チームラボ株式会社と業務提携を行い、一般生活者3万人の持物/嗜好状況をデータベース化し、Web上で閲覧できるASPタイプのマーケティング・サービス「ブランドデータバンク」をリリース。導入実績は国内大手メーカー、大手広告代理店を中心に90社超(*2008年6月現在)。ブランドデータバンクのサービスをベースに、大手企業向けにマーケティングコンサルティングも行う。


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