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投資家の信頼獲得に向け、システムに求められる機能とは?ITmedia エグゼクティブセミナーリポート(2/2 ページ)

財務担当者は経理・財務取引の処理だけに従事していればいいという時代は終わる。今後は、ITを活用して内部統制の整備と収益向上の貢献というビジネスに直結した取り組みが求められるという。

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経営管理を見据えた製品群の高度化を推進

 一方の課題である(2)の対応に活用を見込める製品として羽仁氏が紹介した製品が「SAP Solution for GRC」と「SAP GRC Risk Management」だ。前者は社内にどのようなシステムが存在し、各システムのどのような部分に、どのようなリスクが存在しているのかを登録することで、リスクを総合的に評価することができるもの。リスク分析の結果、採るべき方策に関するアドバイスも示され、対策を講じた後にはそれをプロセスとして管理する機能も備える。

 また、後者を利用すれば全社レベルのリスク情報や統制状況を一元的に把握することも可能だ。リスク軽減を支援するアプリケーションと連携させることで、例えば「最新の科学物質データ製造プロセスで適切活用されているのか」、「懸念取引先一覧に含まれる取引が新規取引先に登録されていないか」といった観点から社内を絶えず監督することができる。

 そして、(3)の策定にあたって、SAPが現在、機能の高度化を推し進めているのが「SAP BPC」だ。同製品は2007年7月に独SAPが買収した米OutlookSoftの製品をベースにした、ネットワークで結ばれた拠点間での予算にまつわる各種情報のやりとりやデータの集計などを支援するためのもの。同製品を利用すれば各部門の担当者はエクセルによって直接情報を入力したり、各部門の目標達成に向けた進ちょくをリアルタイムに把握したりでき、計画立案から予算策定、連結業務、レポーティングまでの業務の効率化を図ることができる。

 「SAP BPCを利用すれば、予算の管理をフレキシブルに行うことができる。目標を変更した際には、そのシミュレーションも瞬時に実行される。さまざな要件を踏まえ、テストを容易に行えるため、戦略の精度をさらに高めることができる」

 羽仁氏は同社の製品についてこのように解説した後、次のように述べ講演を締めくくった。

 「従来から提供してきたERPに加え、法令順守やリスク管理、さらに意思決定のための計数管理のための製品もラインアップに加えた。これらの経営管理のための高度な統合ソリューションを提供することで、今後も企業価値の向上を積極的に支援したい」

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