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「複雑なIT環境の整備がCIOの課題」――Dellが発表
アジア太平洋地域のCIOを対象にした調査によると、企業に存在するばらばらなシステムに多くのCIOは頭を悩ませているという。
米Dellは10月22日、IT調査会社の米IDCに委託して実施したアジア地域における大手企業のCIO(最高情報責任者)への調査結果を発表した。多くのCIOが企業競争力を高めるためにはIT環境の整備が不可欠としていることが分かった。
CIOは現状の問題として、業務のサイロ化がばらばらなシステムやテクノロジーのまん延を生んでいる点を挙げた。そこで、ベンダーを選別し購入するアプリケーションの数を減らしたり、SOA(サービス指向アーキテクチャ)の導入でシステム統合を図ったりするなどでIT環境の整備を進める必要があるという。
縮小するIT予算に対する課題については、ビジネスの敏速性、ビジネス要件の拡大、規制へのコンプライアンス、M&A実施時のアセスメントと実施後の迅速な融合、人材の維持を挙げた。今後企業の競争力が向上できる分野としては、グリーンIT、データセンターの変革、新しいメディアの利用を上位に選んだ。
IDCのコンサルティングディレクターは「経済環境への懸念が続くことで、企業の多くは経費とITの役割を見直している。複雑なIT環境を克服しなければならない一方で、必要な管理ツールが存在しないという問題にCIOは直面している」とコメントした。
同調査は、日本、中国、インド、オーストラリアの大手企業に属する約40人のIT担当者を対象に実施。
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