【新春特別企画】コミュニティーリーダーが占う、2009年大予測
「アンチIT」のすすめ――ITがいらない企業経営(1/2 ページ)
ITに頼らざるを得ない企業活動にしたのは誰か? そもそも「本当に企業活動にITは必須なのか」という世間で言われている前提を疑ってみることを真剣に考える時期が2009年である。さらに「ITで情報共有し有効活用できる、新たなビジネスチャンスが生まれる」という「IT幻想論」を正す時期にもなるだろう。
IT活用の有用性を可視化=見える化(誰がこんな言い方をしたのか分からないが、ITがいかに現実感、有難さが実感できないということを露呈しているだけのこと)する、という響きのいい評判に惑わされてはいけない。「ITで経営はよくなっているの? 売上は伸びているの? 無駄なお金は使っていないの?」なんていう当たり前の効果を数値化するに過ぎない。
しかしITが便利で、優れたツールであることは否定しない。誤解があるとすれば、特に多くのITを上手く使いこなせない企業やヒトがITの現実の役割に気付かなければならない。企業のビジネスコアをどれだけ磨くか、差別化できるかということを常に優先して考えなくては本末転倒になってしまう。企業はその企業たりえる商品やサービスというコアを展開することなしには、今後は市場競争を乗り切ることが極めて困難な時代になるだろう。
またITに関する各種資格や認定制度、リテラシーを伝授することに長けた企業やヒトが実に多くいる(多過ぎる)。もちろん、それが彼らのビジネスとしての存在価値はある。しかし多くのIT関連有資格者や販売店、ベンダー、お役所などからのご託宣により、中堅・中小企業が経営課題を解決するためにITを有効に活用できているとはとても言えない状態だ。いくらITリテラシーを磨いたとしても、経営に役立つ使い方ができなければ意味がない。
作らない、持たないITはSaaSの追い風になる可能性高い
よい兆候もある。実はSaaS(XaaS=PaaS、IaaS、DaaSなど)を代表とする新たな要素技術は、Web2.0時代の、ある意味大きな革命を引き起こす機会をもたらすことになるだろう。SaaSなどのサービス化や外部へのソーシング、つまり「利用する」という傾向は否応なしに強まることは確実だ。ただクラウドや仮想化、グリーンIT(リソースの有効活用などを含む)も利用する環境を変化させるだけのことなので、そのものが企業の課題解決を導き出すものではない。
SaaSやクラウドはあくまでITの実現手段の一つであり、それそのものがコアビジネスを保証するものではない。しかし、IT活用のための費用的、時間的コストを大きく引き下げる効果があり、ユーザが効果的なIT活用のために試行錯誤する機会が与えられるという意味ではよい兆候である。
かたや情報システム部門は、その存在意義が問われている状況だ。単にITのお守りをするだけの部門ではなく、事業戦略とコモディティ化されたITを結び付ける役割こそが情シス部門の求められる姿である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
イオン、フィジカルAIで物流改革 配送拠点の自動化率5割達成 深刻な人手不足に対応
-
2
「現実にCtrl+Zはない」──フィジカルAI時代に企業が備えるべき新役務「AIスチュワード」とは
-
3
初心者向けの料理教室、男性受講生が過半数に 家庭での調理頻度も増加
-
4
5年で辞める予定の元数学青年が「しなやかな心とぶれない軸」でCISOへ - 富士通 太田氏
-
5
「仕方ないインシデント」まで全力を尽くせるか - さくらインターネット 江草氏
-
6
第2回:DXの教訓、AXの現実
-
7
チェキの新製品、タッチパネル式大画面を初搭載 富士フイルムが2機種新発売へ
-
8
「昆虫サイボーグ」で災害現地の行方不明者ゼロに挑む
-
9
「漏洩連絡が来た…」自分の個人情報が流出したら? 二次被害を防ぐ、対処法と日頃の備え
-
10
何を任せ、何を任せないか ― 対象選定という最初の論点
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー