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変化への対応能力はITが鍵を握る――ローソン 常務執行役員 横溝氏ITmedia エグゼクティブセミナーリポート(2/2 ページ)

かつての名門企業であるGMが、今年に入り米連邦破産法11条の適用を政府に申請したことからも、経営の舵を取ることがますます難しくなっていることが伺えよう。変化への対応の鍵――それは、ITの活用にほかならないと横溝氏は訴える。

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8600の店舗と1200の取引先を巻き込むシステムを整備

 同社は現在、3つの目標の具現化するために、システムの整備を進めている最中だ。その規模の大きさは、8600の店舗と1200の取引先に上ることに加え、携帯クーポンのリアルタイムマーケティングなど同社のバリューチェーン全体を支えるシステムであることからも容易に理解できよう。ユニファイドコミュニケーション基盤も共通化や仮想化、クラウドといった新たな技術を活用することでシステムコストを大幅に抑えて整備。併せて業務改革も進めている最中だ。

「過去のシステム、つまり仕事のやり方に縛られていたために、本部とスーパーバイザー、店舗のいずれも業務に忙殺されており、これまで情報の活用が困難な面があったのは否めない。そこでローソン3.0の整備にあたっては、業務を徹底的に見直すとともに、高度な情報分析環境も整備した。現在、投下したマーケティングコストがどれだけの利益を生んでいるのかを測るマーケティングROIの算出にも取り組んでいるが、今の時代はこうした実験を戦略的に行うことも求められているのだ」(横溝氏)

情報活用の成否はマネジメントが握る

 もちろん、業務改革の推進に困難が伴うのはローソンでも同様だ。だが、その実現のあかつきには、情報活用を通じてエリアごとに適した商品展開が可能になるとともに、廃棄ロスも削減でき、収益の向上につなげることができる。コンビニエンス業界では、欲しい商品が店舗になかった場合には、4人に1人の顧客がその店を訪れなくなるという。こうした中にあって、業務改革を通じて情報分析活動が同社の業務に浸透すれば、同業他社に対する極めて大きな競争優位の確立につながると期待できる。

 横溝氏は、情報活用を進めるにあたってのポイントを次のように述べる。

「情報を活用できていない理由はマネジメント層にあるのではないか。なぜなら、目的を掲げた際に、その達成度を測るための具体的な目標まで提示しているケースは決して多くはないからだ。その結果、目的に向けたアクションと、その結果のチェックが散漫になってしまうのは仕方のないこと。目標と目的の双方を作成し、PDCAサイクルを適切に回せる仕組みを作ることがマネジメント層の役割にほかならないのだ」(横溝氏)

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