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「和風グローバル商材」の開発は日本ベンダー成長の源戦略コンサルタントの視点(3/3 ページ)

IT大手4社の業績は、売上高が横ばいの富士通、NTTデータ、売上減少の日立製作所、NECと差が出ています。今回は将来的な業績も左右する大手システムベンダーのグローバル戦略について考察します。

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グローバル商材の素は、高品質な日本のオペレーション

 われわれは、国内で構築してきた世界に誇る高品質なシステムのノウハウをパッケージ化し、グローバル展開すべきであると考えます。

 多種多様な製造業における生産管理システム、コンビニエンスストアに代表される流通システム、物流システムなど、かなり大きな市場規模が見込まれる事業領域で、多くの実績を有しています。

 国内のシステムには、高度なすり合わせやかゆいところに手が届く要件定義を経て、大規模かつ緻密な物流や生産オペレーションを正確に実現するロジックが、実装されています。これらをパッケージ化し、新興国に対して売り込む工夫が期待されます。

 さらに重要な点は、グローバル商材開発においてシステム領域に発想を閉じるべきではないことです。例えば、国内のユーザー企業と協同してシステムを含むオペレーション全体をサービス化し、事業化していくといったことも検討することが必要でしょう。このような試みから、全く新たな事業モデルが生まれることも期待できます。

 グローバルのビジネスでは、特徴を打ち出し、差別化していくことが必要です。確かに日本は「標準作り」「規格作り」はあまり得意ではありませんでした。ただ、モノやサービスそのものは世界レベルをはるかに超えた多くのものを有しているのも事実です。

 日本の歴史の中から、いかに商材のネタを見出していくかが鍵なのだ、という強い認識が必要でしょう。

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著者プロフィール:大久保 達真(おおくぼ たつま) プロジェクト マネージャー 株式会社ローランド・ベルガー

大久保 達真

慶応義塾大学理工学研究科修了後、三菱マテリアル、ネットワンシステムズを経て現職。米国コロンビア大学MBA。情報通信業、電機、自動車、金融、航空業界など幅広い業界における、事業戦略、新規事業立案、組織・人材戦略、マーケティング戦略、IT戦略の立案とともに、大規模PMOの運営などの実行支援も手がけている。システムアナリスト、システム監査技術者の資格を保有する。


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