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Appleが証明した企業DNAの力(5/5 ページ)

一橋大学ビジネス・スクール教授の名和高司氏は、スマート・リーンというキーワードから日本企業ならではの変革の方法論をひもとく。

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どんな企業も学び、成長する可能性が

 メビウス運動は、概略だけを聞いていると抽象的な理論としてとらえられるかもしれないが、ついこの間まで現役コンサルタントだった名和氏にかかると、ユニクロ、任天堂など具体的な日本企業の例が飛び出し、リアリティが増す。その詳細は「学習優位の経営」で確認していただきたい。組織的にメビウス運動の思考と実践を正確に継続するには、やはりコツがあるし、失敗を重ねながら、身につけていくものだという。

 名和氏の解説を聞いていると、企業はどんなに低調となっても、自らの資産をうまく使って、学び、成長することができる可能性を秘めているのだとはっきりと感じることができる。「フレームワーク」思考などということばが最近流行しているが、やはり、具体的な実践に裏打ちされたフレームワークでなくては、利用しようというモチベーションは上がらない。

 失敗も含めて、あらゆる角度で検討されたものだからこそ、事例として上げられている企業が優良企業であっても、「ウチの会社とはそもそも違う」といった印象が浮かばない。逆に「ウチの会社のDNAといえば……」とすぐさま応用したくなる。

 「思いつきの新事業が突然走り出し、いつも頓挫する」「現場のカイゼン運動ばかりやって組織が疲弊しきっている」「全社員で考えても今後の方向性が見えない」など、規模の大小を問わず、自社内にまん延する閉塞感を打破したいミドル以上の方は、一度メビウス運動を机上だけでもやってみてはいかがだろう。

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