検索
連載

エグゼクティブのためのキャリア戦略ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

生き残るためには、今何が必要とされているのか、これから何が必要とされるのか、神経を研ぎ澄まして意識を持つことが必要。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

ポータブルスキルを磨きこめ

 さて質問です。

今日朝起きてから、今まで見たものの中で赤色のものを1分で、とにかくたくさん挙げてください。


 いくつ挙がりましたか?

 ちなみによくセミナーでやるのですが、平均12〜13個挙がります。多い人で20個程度です。しかし過去36個挙げたツワモノがいます。実は36個挙げた人にはセミナー前日に「赤色を意識してセミナーに来てください」と言ってありました。そうすると意識していますから、赤色が目に入りたくさん答えられるのです。これをカラーバス効果といいます。

 筋力トレーニングをする際、意識しながらトレーニングをするのとそうでないのとでは筋力の付き方が違うといいます。意識している方が筋力が早く付くそうです。何も考えず、無意識に体を動かすのと、意識しながら鍛えるのとでは大きな差を生み出すそうです。

 表題のポータブルスキル。これは何かといいますと、「どこの会社にいっても通用するスキル」のことです。持ち運びできる(ポータブル)スキルということで、ポータブルスキルといいます。ワードプロセッサーの話がありましたが、そこで得た知識などテクニカルなものは、その会社でやっていなければ、その事業をやっていなければ必要ありません。そして時代の流れによって、いらなくなってしまうスキルになる可能性があります。しかしこのポータブルスキルはどこへ行っても必要になってくるスキルです。例えば、意見を主張する力や否定する力、周りを励ます力や分析する力、耐える力など、仕事をしていく上で、自分をマネジメントする上で、他者との関わりの中で必要なスキルとなります。知識ではなく、どちらかというと自分自身の行動を左右する筋力という言い方が分かりやすいかと思います。

 テクニカルなスキル・知識だけを身につけても、時代の変遷でいらなくなってしまう可能性があります。しかしこのポータブルスキルはどこへ行っても使える、必要なスキルなのです。それを鍛えるためには普段から自分が行う仕事の中で、今どのスキルを養っているかを意識する必要があります。意識することで、更に自分自身を成長させることができるのです。また先ほどの質問の通り、意識することでより多くの情報が入ってきます。

【まとめ】

  • テクニカルなスキルの他にポータブルスキルもあわせて鍛える
  • 仕事をする上で今どんな力がついているのかを意識する

 この通りキャリア戦略を描く上で必要なことを伝えました。これらは残念ながら会社では教えてくれません。そういったルールを知ることで、自分自身をより高め、環境変化にも耐えられる強いキャリアを築きあげることができるのです。

著者プロフィール:長井 亮

株式会社R09(アールナイン)代表取締役社長 北陸学院短期大学部非常勤講師 ドリームゲートアドバイザー

富山県生まれ。1999年青山学院大学経済学部卒業。

株式会社リクルートエイブリック(現リクルートエージェント)に入社。トップセールスとして活躍後、株式会社リクルートへの出向を経て、新規事業の立ち上げに携わる。

2009年に同社退職後、株式会社アールナインを設立。企業研修や人事・教育コンサルティングを行いながら、その傍ら、学生の就職活動支援を行う。これまでに1,200社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。

主催するキャリアセミナーは、人とのコミュニケーションを通して、自身のキャリアを考えるコンテンツが好評。現在は、大学での講演など、さらにフィールドを広げ、全国で学生・ビジネスパーソン、また経営者を対象に、年間約250回のキャリア・採用に関する講演、セミナーを行う。


前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る